無敗の怪物|ラジャブアリ・シェイドゥラエフの強さ・実力・魅力を徹底解説!
2025年5月、RIZINの元フェザー級王者クレベル・コイケをわずか1ラウンド1分足らずでKO。新たなフェザー級チャンピオンとして鮮烈なインパクトを残したキルギスのファイター、ラジャブアリ・シェイドゥラエフ。
彼は現在、世界中のMMA団体でその名をとどろかせているキルギス共和国出身の新星であり、2025年7月時点での戦績は驚異の14戦14勝。しかも、全試合フィニッシュ勝利という前代未聞の記録を更新し続けています。
判定まで試合がもつれたことは一度もなく、その戦いぶりはまさに“底が見えない怪物”。若干24歳という年齢にもかかわらず、彼は今やRIZINだけでなく世界中の格闘技ファンが注目する最注目ファイターとなりました。
本記事では、そんなラジャブアリ・シェイドゥラエフとはどのような選手なのか?人物像、戦績、試合スタイル、そして今後の展望について詳しくご紹介します。
ラジャブアリ・シェイドゥラエフのプロフィール
ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(Razhabali Shaidulloev)は、キルギス出身の総合格闘家で、「イーグル」および「キルギスの犬鷲」という異名を持つ注目ファイターです。
- 名前:ラジャブアリ・”イーグル”・シェイドゥラエフ
- 通称:キルギスの犬鷲
- 生年月日:2000年10月11日(24歳)
- 戦績:14戦14勝0敗
- 出身/国籍:キルギス/キルギスタン
- 所属:Lhlas Team
- 身長/体重:170cm/66.0kg
- リーチ:174cm
- 主戦階級:フェザー級(66キロ)(過去にバンタム級での試合経験もあり)
- バックボーン:柔道、レスリング、ブラジリアン柔術、グラップリング
複数の格闘技をベースに持つハイブリッド型のファイターであり、その驚異的なフィジカルと爆発的なフィニッシュ率と総合力で現在もっとも勢いのある選手の一人です。
RIZIN参戦前のキャリア|“独学”から始まった格闘家への道
ラジャブアリ・シェイドゥラエフの格闘技人生は、他のエリート選手とは異なり、驚くほど素朴で自己流なスタートから始まりました。
高校時代は柔道とサッカーを両立しており、それ以前は自宅で腕立て伏せや石を持ち上げるトレーニングを続け、ストリートでその成果を試すような生活を送っていました。高校卒業後、本格的に格闘技を志し、キルギスの首都ビシュケクへ移住。ここで3年間レスリングに打ち込み、基礎を築きました。
その後、MMAジムであるLhlas MMAへ移籍し、柔術・グラップリングなどのサブミッション技術も習得。本人の証言によると、グラップリング歴は約3年、格闘技全体のトレーニング歴は11〜12年に及びます。
2019年にはキルギス国内の大会「Batyr Bashy」でプロMMAデビューを果たし、ロシアの有力団体ACAでも実力を発揮。さらに、2022年にはアマチュア世界大会「GAMMA」に出場し、4日間で3試合を勝ち抜いてフェザー級王座を獲得するなど、順調にキャリアを積み上げてきました。
こうして積み重ねた独自のトレーニングと豊富な実戦経験が、現在の“怪物級”ファイターとしての強さの礎となっています。
🔹 RIZIN参戦前の主なプロ戦績一覧(2019年~2023年)
RIZIN参戦前のプロ戦績一覧表(2019年~2023年)
試合日 | 対戦相手 | 勝敗 | 決着方法 | ラウンド・時間 | 大会名 |
---|---|---|---|---|---|
2019年3月23日 | ジョロエフ・ティムール | 勝利 | KO | 1R 4:46 | PFL KG(キルギス) |
2019年8月24日 | マナス・クルスタンベコフ | 勝利 | 三角絞め | 2R 3:24 | Batyr Bashy 5 Selection |
2019年11月6日 | アレスタフ・テムラン | 勝利 | ヒールフック | 1R 1:34 | Batyr Bashy – 2019 Tournament |
2020年2月28日 | スンナティロ・ナスルロエフ | 勝利 | TKO | 1R 3:08 | Batyr Bashy 8 |
2021年10月24日 | アブドラ・サイドフ | 勝利 | TKO | 1R 3:56 | BBMMA: Imankul vs. Musaev |
2022年3月31日 | アンゾル・エルガラエフ | 勝利 | TKO(グラウンドパンチ) | 3R 3:23 | ACA YE 26 |
2022年6月25日 | アスヴァド・アフマトフ | 勝利 | アナコンダチョーク | 2R 3:40 | ACA YE 27 |
2022年10月16日 | イスラム・ババトフ | 勝利 | 三角絞め | 2R 2:51 | ACA YE 30 |
2023年6月24日 | ヤン・ジヨン | 勝利 | リアネイキドチョーク | 1R 4:00 | ROAD FC 064(63kgトーナメント) |
2023年10月17日 | マゴメド・アル・アブドラ | 勝利 | リアネイキドチョーク | 2R 3:40 | UAE Warriors 45 |
RIZINでの戦績まとめ|圧倒的な内容で連勝街道を突き進む
ラジャブアリ・シェイドゥラエフは、2024年からRIZINに参戦し、わずか1年足らずで日本のMMAシーンを席巻しました。以下は、これまでのRIZINでの試合内容をまとめた概要です。
■ 2024年6月9日|RIZIN.47 vs 武田光司
RIZIN初参戦となったこの試合では、元DEEPライト級王者の武田光司と対戦。試合序盤から組みの展開に持ち込みレスリングの強さに定評ある武田を軽々と持ち上げてテイクダウン。1ラウンドでリアネイキドチョーク、しかも片腕だけで締めあげての一本勝ち。日本デビュー戦ながら、衝撃的でインパクト抜群のフィニッシュを披露しました。武田光司は試合後に「組みでこんなに圧倒されたのは初めてだった」とコメントするほどのレスリングの強さを披露しました。
■ 2024年9月29日|RIZIN.48 vs フアン・アーチュレッタ
2戦目の相手は、RIZINおよびBellatorの元バンタム級王者フアン・アーチュレッタ。前日計量でアーチュレッタが2.9kgの体重超過をしたことで、試合中止の危機に。しかしシェイドゥラエフは「体重なんて関係ない。何キロでも構わない。」と試合を承諾。しかも当日の戻し体重の制限も設けずに試合をする。レッドカード(減点)を背負った状態のアーチュレッタを、1ラウンドで腕ひしぎ十字固めによる一本勝ち。リスクを跳ね除けて完勝しました。試合後のインタビューでは「一日に2試合やらせてくれ」と懇願。本気か冗談かは不明。
■ 2024年12月31日|RIZIN.49 vs 久保優太
3戦目の相手は、初代RIZINフェザー級王者だった斎藤裕を打撃で圧倒して勝利した元K-1ウェルター級王者の久保優太。スタンド・組み・寝技とあらゆる局面で久保を圧倒し、2ラウンドにパウンドでのTKO勝利。MMAファイターとしての総合力の高さを証明する試合となりました。
■ 2025年5月4日|RIZIN男祭り vs クレベル・コイケ
ついにタイトル戦へ。相手はフェザー級王者クレベル・コイケ。序盤から打撃でプレッシャーをかけ続け、ワンツーからの右ストレート→追撃の右で1ラウンドKO勝利。試合時間はわずか1分ほど。無傷のまま第7代RIZINフェザー級王者となりました。
これらの試合を通じて、シェイドゥラエフは無敗記録と全試合フィニッシュ勝利という実績を日本でも更新し続け、短期間でRIZINのトップに駆け上がりました。
キャラクターの「ちいかわ」似での人気拡大
興味深いのは、シェイドゥラエフがその強気な一面を持ちながら、日本の人気キャラクター「ちいかわ」に似ているということで、SNS上で話題になっていることです。
このギャップが、彼の魅力をさらに高め、ファン層を広げる要因となっています。強さだけでなく、愛嬌のあるキャラクター性も彼の人気を押し上げている要因の一つでしょう。
以下に、あなたの指示に基づき、該当箇所のみを修正・加筆した形で「なぜシェイドゥラエフはこんなに強いのか?」のセクションを再構成しました。全体の流れを崩さず、読みやすさを重視しています。
なぜシェイドゥラエフはこんなに強いのか?
シェイドゥラエフが強い理由とは?
2025年5月、クレベル・コイケをわずか1分2秒でKOし、第7代RIZINフェザー級王者となったラジャブアリ・シェイドゥラエフ。その圧倒的な強さは、単なる才能や努力だけでは語りきれません。
彼の強さの背景には、キルギスという国ならではの自然環境・食文化・生活習慣、そして精神性があります。以下では、4つの視点から“怪物級”の強さに迫ります。
1. 高地の自然が育てた「持久力と爆発力」
シェイドゥラエフの母国・キルギスは、標高1,500mを超える高地が広がる山岳国家です。彼自身も「山そのものがジムのようなものです」と語っており、自然の中で日常的に高地トレーニングを行っています。
標高の高い地域では空気中の酸素濃度が低いため、体は酸素を効率よく取り込むために赤血球を増やし、血流や肺機能の強化を図ろうとします。この環境下でのトレーニングは、心肺機能や持久力の向上に直結し、スタミナが問われるMMAでは極めて大きなアドバンテージになります。
これにより、彼は試合序盤から驚異的なテンポで攻め続け、消耗せずに相手をフィニッシュすることが可能になっているのです。
2. 馬肉を中心とした“ノーケミカル”な食生活
食事面でも、シェイドゥラエフの強さには秘密があります。彼の主食は馬肉。インタビューでは「私の食事はすべてオーガニック。添加物はゼロです」と語っています。
馬肉は、アスリートにとって理想的な動物性タンパク源です。高タンパク・低脂質で、筋肉の合成と回復を促進する栄養素が豊富。特に鉄分、亜鉛、ビタミンB群を多く含むため、貧血の予防、代謝の活性化、集中力の維持といった点でも優れた効果が期待できます。
また、消化吸収も早く、トレーニング後のリカバリー食としても最適。加えて低カロリーであるため、筋肉量を維持しながら体重を絞る減量期にも非常に有効です。
シェイドゥラエフはこの馬肉を中心に、野菜や乳製品を取り入れた「ノーケミカル」な食事を続けており、これが計量成功率100%と高い試合パフォーマンスの土台になっています。
3. 幼少期からの乗馬が生み出した“体幹力と集中力”
もうひとつのフィジカルの秘密が、キルギス文化と深く結びついた「乗馬」です。幼少期から馬とともに育った彼にとって、乗馬は日常の延長であり、体を自然と鍛える手段でした。
乗馬はアスリートにとって以下のような身体的メリットをもたらします:
- 体幹の強化:常に不安定な馬上でバランスを保つため、腹筋・背筋・腰回りなどのインナーマッスルが自然と鍛えられる
- 下半身の筋力アップ:馬を操る脚の動きにより、大腿四頭筋、内転筋、臀筋が強化される
- バランスとリズム感の向上:動的バランス感覚が養われ、スタンド・グラウンド双方での安定性に繋がる
- 集中力・反応速度の向上:馬の挙動を瞬時に察知し操作する能力が、対人競技にも応用される
これらの身体能力は、MMAに必要な全身の連動性・安定性・瞬発力を自然な形で身につけることができるのです。
4. 圧倒的なメンタルタフネスと世界を見据える視野
シェイドゥラエフの強さを語る上で欠かせないのが、揺るぎないメンタルです。クレベル・コイケ戦後のインタビューでは、「軽い運動のような感じだった」とコメント。これほどまでに自信に満ちた発言ができるのは、厳しい環境下で自分自身を律し続けてきた証でもあります。
さらに、試合後には「UFC外のフェザー級で世界1位。全体では13位。誰か挑戦したい人はいるか?」とSNSで挑戦者を募るなど、視野はすでに世界に向いています。
このようなメンタルの強さは、乗馬で養われた集中力や自然との共存の中で培った感覚、そしてキルギスという厳しい土地での生き抜く力から来ていると考えられます。
シェイドゥラエフの強さを支える5つの要素
- 自然な高地トレーニング:酸素濃度の低い環境で心肺機能・持久力を強化
- 馬肉中心の栄養管理:高タンパク・高ミネラルの食事で筋肉・代謝をサポート
- 乗馬による全身の強化:体幹・下半身・集中力を総合的に鍛える文化的習慣
- 山をジムとした日常生活:自然の中での登坂・走行が筋力とスタミナを育む
- メンタルの強さと世界志向:勝利を当然とする思考と、常に挑戦を受ける覚悟
ラジャブアリ・シェイドゥラエフの強さは“環境・文化・姿勢”のすべてが作り上げた結果なのかもしれません。単なるトレーニングや才能ではなく、生き方そのものが彼を怪物へと育てた──そう言っても過言ではありません。
今後の展望:バンタム級での挑戦
適正階級への移行
現在、シェイドゥラエフはフェザー級で戦っていますが、彼自身はバンタム級が適正階級であると明言しています。
過去に63キロ契約の試合で計量に失敗したことがあり、RIZIN側からフェザー級でのオファーが続いていますが、もし彼がバンタム級に戻るならば、さらなるスピードと技術を活かした圧倒的なパフォーマンスを見せる可能性があります。
そしてこの二階級で試合が可能と考えるとシェイドゥラエフと様々な選手との試合が見たいと思わせてくれますし、ファンのいろんな対戦カードを想像して楽しむことができます。
シェイドゥラエフがバンタム級で戦うことになれば、間違いなくRIZINのタイトルコンテンダーとして名乗りを上げ、さらに多くのファンを魅了することになるでしょう。
ラジャブアリ・シェイドゥラエフの未来に注目
ラジャブアリ・シェイドゥラエフは、無敗の戦績を誇るだけでなく、その自信あふれる発言とキャラクター性でファンを魅了しています。
彼のレスリング技術とフィジカルの強さは、今後もRIZINで大きな脅威となることは間違いありません。今後、バンタム級に移行するかどうかも注目のポイントであり、彼のキャリアのさらなる飛躍が期待されます。
読者の皆様も、彼の次の試合をぜひチェックし、今後の活躍を楽しみにしていただければと思います。
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