【UFC】最強グラップラーのパッチー・ミックス、デビュー戦で完敗|マット・ブラウン&ビスピンが痛烈批判「UFCは別次元」
2024年6月8日(日本時間)に開催されたUFC316で、Bellatorの元王者パッチー・ミックスが注目のUFC初戦に挑んだ。しかし、格下と見られていたマリオ・バティスタに判定で完敗。
華々しい実績を引っさげての参戦となったが、そのパフォーマンスに対し、UFCのレジェンドであるマット・ブラウンとマイケル・ビスピンがそれぞれ厳しいコメントを残している。
試合結果:パッチー・ミックス vs マリオ・バティスタ
- 開催日:2024年6月8日(日本時間)
- イベント名:UFC316
- 結果:マリオ・バティスタが3-0の判定勝利
- 内容:パッチー・ミックスは終始動きが鈍く、得意のグラップリングも機能せず。テイクダウンはわずか1回の試行のみで、打撃ではバティスタに劣勢を強いられた。
マット・ブラウン&ビスピンが痛烈批判コメント
マイケル・ビスピンのコメント「口だけでは通用しない」
元UFCミドル級王者でUFC殿堂入りのマイケル・ビスピンは、自身のポッドキャスト『Believe You Me』で次のように語った。
「パッチー・ミックスは完全にやらかした(sh*t the bed)。試合前は『自分が世界最高のバンタム級ファイター』とまで言っていたけど、あの内容では話にならない。」
マイケル・ビスピン:「パッチー・ミックスはUFCデビューでやらかした」
元Bellator王者であるミックスは、試合前には自信満々で、自らを「スポーツ界で最高のバンタム級選手」と称し、「UFCと契約した中でも最も注目された有望株の一人」と豪語していた。また、対戦相手であるバティスタを完全に軽視していたことも、ビスピンが主に問題視している点だ。
マイケル・ビスピン:「特に記者会見での自信満々な態度と口の悪さ、そしてバティスタという相手をまるで脅威ではないかのように扱っていた点だ。まるで『自分がUFCに登場して、全員を蹴散らしてチャンピオンになるのは当然の流れだ』とでも言わんばかりだった。でも実際には、バックグラウンドで黙々と勝ちを積み重ねてきたバティスタに完敗した。バティスタはジョゼ・アルドのような選手にも勝ってきているけど、正直なところファンからの認知度は高くない。それでも彼は倒すのが難しい選手なんだ。」
「ミックスは完敗だった。試合にすら入れていなかった。目立った動きもなかった。打撃のスタッツを見れば、数字上は接戦のように見えるけど、実際はバティスタの方が的確に打ち込んでいたし、良いパンチを当てていた。ミックスがパンチをもらうたびに顔をしかめていたんだよ。『うわ、これは嫌だった』って顔でね。それは良くないよ。判定が接戦になればなるほど、ジャッジは『お前、毎回リアクションしてたじゃん』って見方になるからね。」
「バティスタの脅威を無視しすぎた。打撃を受けるたびに顔をしかめていたら、ジャッジは『効いてるな』と見なすに決まってる。口だけじゃ、UFCじゃ生き残れない。」
【プロフィール紹介】マイケル・ビスピンとは?
- 名前:マイケル・ビスピン(Michael Bisping)※マイケル・ビスピングとも表記
- 生年月日:1979年2月28日(46歳)
- 出身地:キプロス・アクロティリ(イギリス軍基地)
- 主な実績:
- 元UFC世界ミドル級王者
- 『The Ultimate Fighter 3』優勝
- UFC殿堂入り
- イギリス人初のUFC世界王者
- UFC初出場:2006年12月30日
- 戦績:
試合数 | 勝利 | 敗北 |
---|---|---|
39試合 | 30勝 | 9敗 |
マット・ブラウンの見解「UFCは魂を喰われる場所だ」
UFCで15年以上戦い抜いたベテランマット・ブラウンも、ミックスの敗戦にこう語っています。
「UFCはまったく別次元の世界なんだよ。ここには“魂まで喰らいにくる”ような血に飢えたライオンたちがいる。少しの油断で食われる、それがUFCだ。」
マット・ブラウン(A):
UFCには間違いなく世界最高のファイターたちが揃ってるよ。他の団体のチャンピオンがどれだけ凄いって言われても、結局UFCに来たら現実を思い知らされる。俺たちは何度も見てきただろ、派手な肩書き持って入ってきた奴らが、あっという間に沈んでいくのをさ。
まあ、UFCって舞台のプレッシャーとかメディアの注目とか、そういうのも多少はあるかもしれない。でもな、それ以前に純粋にレベルが違うんだよ。はっきり言って、UFCのランキング15位の選手でも、他の団体に行けばチャンピオンになれるくらいの実力がある。それぐらいギャップがでかいんだ。
UFCはこのスポーツを支配してる。強い奴はみんなここに集まる。それが現実だ。
たとえばベン・アスクレンを見てみろ。BellatorとONEでは無敗のチャンピオン、レジェンド扱いされてた。でもUFCに来た瞬間に“ただの一人”になった。別にアスクレンが弱いって言ってるんじゃない。UFCってのはそれぐらい異常な世界だって話だ。
UFCはまったく別次元の世界なんだよ。ここには“相手の魂まで喰らいにくる”ような血に飢えた猛獣たちがゴロゴロいるんだ。ちょっと気を抜いたらすぐ食われる。それがUFCだ。
結局、UFCの外でどんなに活躍しても、所詮は「UFCに来るための切符」でしかねぇんだよ。中に入ってからが本当の勝負なんだ。B:
だよな。結局、他の団体ってのは“UFCへの登竜門”って感じだよ。好きか嫌いかは関係なく、マイナーリーグ的な存在になってるよな。マット・ブラウン(A):
そうそう、例えるならカレッジフットボールとNFLの関係に近いよな。
「全米王者の大学チームがNFLの最下位チームに勝てるか?」って話さ。答えはノーだ。
UFCってのは、それくらいレベルの違う“プロの頂点”なんだよ。
【プロフィール紹介】マット・ブラウンとは?
- 名前:マット・ブラウン(Matt Brown)
- 生年月日:1981年1月10日(44歳)
- 出身地:アメリカ合衆国
- UFC初参戦:2008年
- 最終試合:2023年5月
- ファイトスタイル:ハードな打撃戦で知られるベテランファイター
- 戦績:
試合数 | 勝利 | 敗北 |
---|---|---|
43試合 | 24勝 | 19敗 |
【プロフィール紹介】パッチー・ミックス
- 本名:パトリック・ミックス(Patrick Mix)※パッチー・ミックスとも表記
- 生年月日:1993年8月16日(31歳)
- 出身地:アメリカ合衆国
- 主な実績:
- 元Bellator世界バンタム級王者
- Bellatorバンタム級ワールドグランプリ優勝
- 元KOTC世界バンタム級王者
- 堀口恭司に判定勝利経験あり
- 戦績(画像より):
試合数 | 勝利 | 敗北 |
---|---|---|
22試合 | 20勝 | 2敗 |
今後の展望:ミックスは再起できるのか?
Bellatorでは圧倒的な実力を誇っていたパッチー・ミックス。しかし、UFCの“本物だけが生き残る”環境で、このままでは通用しないという現実を突きつけられた。
今後は、精神的タフネスと戦術の多様化、そして打撃での耐性強化が鍵になるだろう。
まとめ
「最強グラップラー」として鳴り物入りでUFC入りを果たしたパッチー・ミックスだったが、その初陣は想像以上に厳しいものだった。
マイケル・ビスピンとマット・ブラウンの厳しい評価は、UFCという舞台の本質を象徴している。
ミックスがこの敗北を糧に、真のUFCファイターとして覚醒できるか。今後の一戦一戦が試される。
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