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- 紛争背景のミャンマーからUFCフライ級の新星へ──ジョシュア・ヴァンとは何者か?経歴まとめ
- 平良達郎戦で重要になるポイント
- まとめ:アジア発、世界を制する“Fearless”
紛争背景のミャンマーからUFCフライ級の新星へ──ジョシュア・ヴァンとは何者か?経歴まとめ
4月開催のUFCで、フライ級タイトルマッチ「王者ジョシュア・ヴァン vs 挑戦者・平良達郎」が決まりました。日本の格闘技ファン目線でいちばん気になるのは、やはり「ジョシュア・ヴァンって、どんな強さの選手なのか?」という一点だと思います。
結論から言うと、ヴァンは打撃が強いだけで片付けることはできない、危険な選手と言われています。
パンチの手数と圧力で相手の呼吸を奪う打撃はもちろん、フライ級トップ層の中でも際立つテイクダウンディフェンスが、王者にまで上り詰めた最大の裏付けになっています。
この記事では、彼の人物像から戦績、ファイトスタイル、そして今後の展望まで詳しく紹介します。
ジョシュア・ヴァンとはどんな選手なのか?
まずはこのジョシュア・ヴァンという人物がどのような選手なのかというのを調べて下記に分かりやすくまとめていきますので、参考になったら幸いです。
まずはプロフィールやどのような人生を歩んできたのかというのを現在海外などで公開されている情報を簡単にまとめていきたいと思います。
ジョシュア・ヴァンのプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | Joshua Van Bawi Thawng(ジョシュア・ヴァン・バウィ・サウン) |
| リングネーム | Joshua Van(ジョシュア・ヴァン)、通称「The Fearless」 |
| 生年月日 | 2001年10月10日(24歳) |
| 出身地 | ミャンマー・チン州ハカ |
| 国籍 | アメリカ・ミャンマー |
| 身長・リーチ | 165cm・165cm |
| 所属チーム | 4oz. Fight Club(テキサス州ヒューストン) |
| 戦績 | 18戦16勝2敗(KO8/一本2/判定6) |
生い立ち
ミャンマーからアメリカへ、家族構成について
ヴァンは2001年10月10日、ミャンマー西部チン州ハカで、5人兄弟の家庭に生まれたそうですね。2000年代生まれという非常に若い選手となります。
また、ヴァンの父親は2017年に亡くなり、少なくとも2025年7月時点では母親と一緒に暮らしているそうです。
ミャンマー国内の軍事・政治的な紛争が続く環境を背景に、10歳のとき家族でマレーシアへ移住。さらに2013年、12歳でアメリカへ渡り、テキサス州ヒューストンに定住しています。
これだけで分かるのは幼少期の頃から決して恵まれた環境で育った選手ではないという事が分かりますね。
かなりの苦労人のようと思われます。
ジョシュア・ヴァンは幼少期から格闘技をしていたわけではなく、19歳で格闘技のトレーニングを始めて、たったの4年あまりでアジア人初のUFC王者になるという快挙を成し遂げました。
母に家を購入して一時期話題となる
ジョシュア・ヴァンは2017年に父親を亡くしているため両親は母親のみ。
さらに5人の兄弟もいるようで、家族を大切にしている様子がうかがえるエピソードとして海外で一部話題となっています。
現在ではUFCで活躍し、2025年6月までに稼いだファイトマネーで自身の母親に家を購入したことも話題となっていました。
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ジョシュア・ヴァンのファイトスタイル
一言で言うと殴って殴って殴る。そしてタックルを切る。
という誰もが楽しめるスタイルのファイターになります。
「手数と圧で飲み込む王者」
ヴァンの試合を見て最初に感じるのはとにかく休まないことです。
- ゲームプランは基本いつも無い
- 手数で相手を圧倒する
- 相手に攻撃を打たせて打ち返すことで主導権を奪う
- 前進圧で相手を下がらせ、相手の攻撃の選択肢を削る
作戦は基本的に立てず、ひたすらタックルを切って殴って殴って殴りまくる。
シンプルですが、このファイトスタイルでUFCのフライ級王者にまで駆け上がりました。
マクドナルドがかなり好きらしい
ちなみに、私生活の小ネタとして「マクドナルド好き」だそうです。
本人は複数メディアで、トレーニングキャンプ中でも毎朝マクドナルドを朝食と昼食に食べると語っています。
パントージャとのタイトルマッチ直前に「MMAmania」という媒体のインタビューでこのことについて取り上げられています。
【以下一部コメント引用】
ジョシュア・ヴァン:「ファイトキャンプ中、本当はやっちゃいけないことをいろいろやってるけどさ。わざと調子に乗ってやらかしたくなるんだよ。食事とか。
Joshua Van eats McDonald’s daily during UFC 323 camp | MMA Mania
毎朝マクドナルドに行く。で、夜はクリーンに食べる。
昼はビッグマック。
朝食は、ブレックファストブリトーにハッシュブラウン2つ、オレンジジュース。
これが毎日の朝飯。」
当然、コーチやチームメイトからはかなりイジられているらしいです。でも食べてしまうジョシュア・ヴァンの言い分も以下のようにコメントされています。
ジョシュア・ヴァン:「健康的な食い物って、もう飽きるんだよ。見た目からして健康すぎる。
Joshua Van eats McDonald’s daily during UFC 323 camp | MMA Mania
俺は1日3回トレーニングする。次のジムまで30分しかないんだけど、その途中にマクドナルドがあるんだ。
だからいつもそこでブリトーとハッシュブラウンを買って…つい寄っちゃう。」
もちろん、本当に毎日食べているのかは分かりません。インタビューに対して、リップサービスで毎日と誇張して話しているかもしれません。
そんなところも含めて破天荒ファイターですがそこに彼の強さが隠れているようにも感じますね。
なぜヴァンは格闘技を始め、MMAファイターになったのか
「なぜMMAだったのか?」という疑問は、彼の移住者としての経歴と切り離せません。
海外の記事などで公表されているジョシュア・ヴァンがMMAファイターになった経緯について簡単にまとめると以下の通りでした。
- 12歳で渡米し、生活基盤を作り直す必要があった
- 多文化環境のなかで“自分の居場所”と“強さの証明”が必要だった
- そして最終的に、アマチュアではなくプロMMAとしての道を選び、2021年にプロデビュー
このあたりは本人の長尺インタビューやドキュメンタリーで語られているようです。
少なくとも公的プロフィール上は、彼がプロMMAとしてキャリアを始めたのが2021年であること、そしてUFCに呼ばれたのが2023年であることが確認できます。
プロキャリアの始まりとFury FC王者
2021年、地元の「Fury Fighting Championship(Fury FC)」という団体でプロデビュー。
持ち前の打撃力と勝負勘で連勝を重ね、2022年12月にはリアネイキドチョークで2R一本勝ちを収め、同団体のフライ級王者となった。
その後にUFCと契約をしたとされています。
UFC参戦と華々しい戦績
そもそもMMAのデビューが2021年ということで、たった2年ほどでUFCに参戦すること自体がかなり異例です。
さらにUFCでは高い勝率で勝ち星を積み上げ、トップ戦線に食い込んできました。ここから初戦以降を振り返ってみます。
2023年の初参戦から快進撃
- 2023年6月:UFCデビュー戦でザルガス・ジュマグロフにスプリット判定勝ち
- 2023年11月:ケビン・ボルハスにユナニマス判定勝ち
- 2024年1月:フェリペ・ブネスに2R TKO勝利
- 2024年7月:チャールズ・ジョンソンにKO負け(UFC初黒星)
- UFC4戦目にて初のKO負けをここで喫します。ですがこの先の試合は現在まで全て勝利しています。
- 2024年9月:エドガー・チャイレスに判定勝ち
- 2024年12月:コーディ・ダーデンに判定勝ち
- 2025年3月:鶴屋怜(当初ブルーノ・シルバ予定)と対戦。無敗の強豪・鶴屋を判定で撃破。
- → 鶴屋の強力なレスリングを無効化、ほぼ全てのタックルを終始切り続け打撃で圧倒。テイクダウンディフェンスの高さとボクシングスキルが際立った試合内容でした。
- 2025年6月7日(UFC316):3月に本来決まっていたがキャンセルになっていたブルーノ・シルバ戦で3R TKO勝利。
- → 卓越したボクシング技術を見せつけ、ブランドン・モレノに匹敵すると称賛される。
- 2025年6月28日(UFC317):ブランドン・ロイバル(Brandon Royval)に判定勝利。
- → もともとモレノvsケイプの試合だったが、ケイプの怪我により代打参戦。足の指を骨折していた中で蹴りを封印し、パンチだけで戦い抜く。壮絶な打ち合いの末、3R終了直前にロイバルからダウンを奪い、3-0の判定勝利を収めた。この勝利により、ヴァンはフライ級のトップ戦線へと一気に浮上した。
- このロイバルとの試合直後にフライ級王者であるパントージャがケージに上がってフェイスオフが行われました。これで次戦のフライ級タイトルマッチがジョシュア・ヴァンにほぼ決定となります。
- 2025年12月6日(UFC323):アレッシャンドリ・パントージャとのタイトルマッチが行われました。結果はパントージャの負傷により1ラウンドTKO勝利。ここでアジア人初のUFC王者が誕生しました。
ジョシュア・ヴァンと平良達郎の試合映像
現在、ジョシュア・ヴァンと平良達郎のタイトルマッチが正式に決定したことでヴァンと平良の両者のUFCでの試合映像を一つにまとめたYouTube動画が公開されていますので下記にリンクを載せておきます。
ぜひお互いの試合映像を見比べてどっちが勝利するかを予想してみてください。
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“わずか4年余り”でUFC王者:これがどれほど異常か
ヴァンは2021年にプロMMAデビューし、2025年12月のUFC 323で王座に就きました。
つまり、競技キャリアの立ち上げから世界一の称号を手にするまでに、おおむね4年ほどというスピードです。
このスピード感を説明するために、よく引き合いに出されるのがジョン・ジョーンズです。
ジョーンズは2008年4月にプロMMAデビューし、2011年3月にUFC王座を獲得しています。
つまりジョーンズは“史上最速級”の別格として、ヴァンはそこに次ぐレベルの「到達速度」を見せた存在ということになります。
実際、ヴァンは24歳でUFC王者となり、UFC史上2番目に若い王者(最年少がジョン・ジョーンズ)と整理されています。
主な記録と実績
出典:ジョシュア・ ヴァン | UFC(プロフィール/戦績など)・各種記録はUFC公式のRecord BookやStatsも参照
- Fury FCフライ級王座(元王者)
- UFCフライ級での記録(※2026年2月時点):
- 1分あたり有意打撃数:8.20(UFC史上最高)
- 打撃差(着弾−被弾):+2.94(フライ級最高)
- 有意打撃総数:1,099発(歴代3位)
- 総打撃数:1,928発(歴代4位)
- 打撃成功率:57%(歴代5位)
- 2024年9月~現在までUFC6連勝中
- テイクダウンディフェンス率:81.1%(フライ級6位)
ジョシュア・ヴァンの基本像
非常に好戦的
彼は非常に好戦的です。それはケージの中でもそうなのですが、フライ級王者になったにも関わらず、試合に飢えているようなSNSの投稿が頻繁にポストされていることからも伺えます。
普通であればせっかくベルトを手に入れたのであれば次の試合まで期間を設けることが一般的です。なぜならばすぐに防衛戦をして負ければせっかく手にしたベルトをすぐに手放してしまうことになるからです。
普通であればベルトを持った状態で様々なイベントに呼ばれることもあるので、ベルトをもってイベントに出演するなどしてビジネスをしながら体をいったん休めるという選択もあるはずなのに、年明け以降も「試合がしたい」空気が濃い。
現に4月で試合が決まっていますし、状況次第では3月でも試合をする意欲があったようです。
ヴァンの強さはどこにあるのか
ヴァンの強さは「打撃が上手い」だけでは説明が尽きません。ポイントは大きく2つです。
- パンチの回転力と前進圧
- そして、それを成立させるテイクダウンディフェンス
- 小さい体でも相手に負けないフィジカルの強さ
近距離においてのボクシングスキル
ジョシュア・ヴァンの最大の武器はスピードと精度を兼ね備えたパンチ力、打撃と言われています。
体格は165cmとフライ級でも小柄だが、異様に発達した太ももが特徴的で、パンチの強さやレスリング耐性の源とも言われています。
打撃スタイルはONEのロッタンを彷彿とさせ、SNSでは“MMA版のロッタン”とも称されています。
異常に強いテイクダウンディフェンス
ジョシュア・ヴァンの強さにそのは打撃の強さだけではなく、その異常なまでに強いテイクダウンディフェンスの能力にもあります。
UFC公式のRecord Book(フライ級)では、ヴァンのテイクダウンディフェンス率は81.1%で、フライ級6位(同率)に入っています。
鶴屋怜のテイクダウンをも防ぐ
日本人のファンに一番分かりやすい内容としては鶴屋怜戦で見せたテイクダウンディフェンス力です。
鶴屋怜選手は日本人の中でもトップレスラーであり、テイクダウン力の強い選手として知られています。
今までのROAD TO UFCの試合やUFCの試合でもそのテイクダウン力の強さで勝ち続けてきました。
その鶴屋怜選手のテイクダウンをジョシュア・ヴァンはことごとくディフェンスし、3ラウンドを通して鶴屋が放った21回のテイクダウンのうち、ヴァンがテイクダウンを防いだ回数は17回(奪われたのは4回)という整理で報じられています。
倒れてもすぐに立てるフィジカル
さらにヴァンもう一つ評価されているのが「倒されても、すぐ立つ」ことです。
たとえテイクダウンを許しても寝かされ続けず、すぐにスタンドに戻して打撃戦を再開できる。
ここがあるから、あの手数と圧がラウンドを通して落ちにくい。
もしも平良選手のテイクダウンも同じように防ぐようであれば、ジョシュア・ヴァンが打撃で試合を優位に進める可能性が非常に高いと言われています。
実際、平良にとっても「テイクダウンに入れるが、そこで一本取り切れない」展開は最も避けたい展開のひとつになると思われます。
3週間前のオファーでブランドン・ロイバルを撃破
ブランドン・ロイバルと言えば長年UFCフライ級のトップに君臨するUFCフライ級トップファイターです。あの平良達郎選手もこのロイバルに初敗北を喫したことで一時期話題となっていました。
そのブランドン・ロイバルに準備期間3週間というショートノーティスで挑み、見事判定勝利を飾りました。
ロイバルはもともとマネル・ケイプとの試合の予定でしたが、ケイプがケガにより欠場。
それを聞いたジョシュア・ヴァンが6月7日に試合をしたばかりにも関わらずロイバルの対戦相手として立候補。そのまま3週間後のUFC大会で試合決定となり、大きな話題となりました。
多くのファンはこの試合でさすがに準備期間がほぼない中でロイバルには勝てないだろうと予想していましたが、フタを開けてみればお互い一歩も譲らず大接戦の打撃の打ち合いとなり最終的にジョシュア・ヴァンがロイバルに判定で勝利を収めました。
のちにこの勝利が次のアレッシャンドリ・パントージャとのタイトルマッチへの挑戦権を獲得する試合となります。
ロイバル戦がタイトルに直結した理由(ランキング・興行価値・試合内容の説得力)
ロイバル戦は、ただ勝っただけではありません。
- ヴァンは3週間の代役で、元タイトル挑戦者ロイバルに勝利
- 興行を救ったことでUFC側からも高評価
- さらにこの試合はファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得
- そして「3RのUFCフライ級戦として最多級の有効打撃数を更新した」と記録面でも語られる試合になった
要するに、ランキング上の実績、興行的な爆発力、試合内容の説得力が同時にそろった。だから“一気にタイトルへ”が成立したわけです。
平良達郎戦で重要になるポイント
最後に、平良目線で見たときの焦点を整理します。
立ち上がりの主導権争い
ヴァンは“前に出ることで成立する王者”です。平良が下がらされる時間が増えるほど、手数の差がスコアにも印象にも反映されやすい。
テイクダウンが「入る」ではなく「勝ち切れる」か
平良が組んで倒しても、ヴァンがすぐ立ってしまえば、結局スタンドで殴り合う時間が伸びます。
ヴァンはフライ級のRecord Bookでテイクダウンディフェンス81.1%、フライ級6位(同率)という数字が示す通り、“倒されにくい”こと自体が武器です。
まとめ:アジア発、世界を制する“Fearless”
紛争の影響が続く環境から家族で移住し、Fury FCからUFCまでのし上がったジョシュア・ヴァン。
その歩みはアジア人初のUFCファイターとしての誇りを背負いながら、フライ級の記録を次々と塗り替える物語でもある。
- 生い立ちはミャンマー→マレーシア→アメリカ。移民として積み上げた背景がある
- 2021年プロデビューから2025年末にUFC王者へ。到達速度が異常
- フライ級TDディフェンス81.1%で6位(同率)。打撃だけの選手ではない
- UFC 317は3週間でロイバルを受け、勝ってFOTN。内容でも記録でもタイトルに直結した
足の骨折を押して3週間後に連戦し、トップランカーを撃破するその姿勢は、まさにFearless(恐れを知らぬ者)。
今、UFCフライ級に新たなスターが誕生したと言っても過言ではありません。
今後の王座戦、そしてさらなる階級での挑戦にも注目が集まっています。
平良達郎がこの王者を崩すには、テイクダウン後の展開で「逃がさない/立たせない/削り切る」という勝ち方まで含めて設計する必要があります。
ヴァンの本当の強さは、まさにそこを要求してくる点にあります。


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