大阪市北区の「医誠会国際総合病院」で、看護師が入院患者の様子を無断撮影し、SNSに不適切な動画を投稿していた問題が、2026年10月に再び注目を集めています。
報道によると、動画にはベッドで横たわる患者がうめき声を上げる様子や、看護師が患者の前髪を切り、その反応を笑う場面などが含まれていました。患者を面白がるようなテロップも付けられており、SNS上で批判が広がりました。
ただし、この問題は10月に初めて発覚したものではありません。病院は2026年7月12日に不適切なSNS投稿を把握し、7月13日に謝罪。8月27日には調査と対応を終えたことを最終報として公表していました。
10月15日には改めて声明を発表し、関係職員について懲戒処分を実施し、その後退職して現在は病院に在籍していないことを明らかにしています。ただし、具体的な処分内容は公表されておらず、懲戒解雇されたと確認されたわけではありません。
この記事では、問題となった動画の内容、患者の前髪を切る場面が批判された理由、7月から10月までの経緯、看護師の処分と病院の対応を整理します。あわせて、千葉西総合病院やJR札幌病院で発生した別のSNS投稿問題との違いも紹介します。
医誠会国際総合病院の看護師によるSNS投稿問題と病院の対応
今回問題となったのは、医誠会国際総合病院の職員が、患者の個人情報を含む動画などを個人のSNSアカウントに投稿していた事案です。
病院は7月に問題を把握した後、患者と家族への謝罪、関係する投稿の削除要請、個人情報保護委員会への報告などを実施しました。
さらに10月15日の発表では、関係職員が懲戒処分を受け、その後退職していることも確認されています。
| 項目 | 2026年10月17日時点の情報 |
|---|---|
| 病院名 | 医誠会国際総合病院 |
| 所在地 | 大阪府大阪市北区 |
| 問題となった行為 | 患者の無断撮影・不適切なSNS投稿 |
| 動画の内容 | 患者がうめく様子、前髪を切る様子など |
| 病院が把握した日 | 2026年7月12日 |
| 最初の謝罪 | 7月13日 |
| 最終報告 | 8月27日 |
| 10月の再拡散 | 10月14日ごろ |
| 病院の追加説明 | 10月15日 |
| 関係職員の処分 | 懲戒処分を実施 |
| 現在の勤務状況 | 退職済み |
| 具体的な懲戒処分の種類 | 非公表 |
なお、病院の公式発表では主に「当院職員」という表現が使われていますが、10月15日の報道では問題となった人物が看護師であると伝えられています。
動画に関与した職員の正確な人数や、撮影・投稿にそれぞれ誰が関わったのかについては、公式発表だけでは詳しい内訳を確認できません。
看護師は何をした?患者を無断撮影してSNSに投稿
今回の問題では、入院患者の様子を勤務中に撮影し、その映像をSNSに投稿していたことが批判されています。
10月15日の報道では、ベッドに横たわった患者がうめき声を上げる様子や、患者が医療行為を拒む様子が動画に含まれていたと伝えられています。
また、看護師が患者の前髪を切り、その反応を笑う場面も投稿されていました。
問題となったのは、単に病院内で動画を撮影したことだけではありません。患者の様子を本人の許可なく撮影したうえで、面白がるような説明を付けてSNSで公開したことが大きな問題となりました。
なお、動画の撮影が具体的にいつ行われたのか、どのような経緯で前髪を切ることになったのかなど、詳細のすべてが明らかになっているわけではありません。
病院も、患者のプライバシーと二次被害の防止を理由に、投稿内容や患者を特定できる情報については詳しい説明を控えています。
患者の前髪を切る動画には何が映っていたのか?
今回の報道で特に注目されたのが、看護師が入院患者の前髪を切る場面です。
読売テレビの10月15日の報道では、看護師が患者の前髪を切ったうえで、患者の反応を笑う様子が動画に含まれていたと説明されています。
また、共同通信は、患者がベッドでうめき声を上げる動画や、職員が笑いながら患者の髪を切る様子が投稿されていたと伝えています。
ただし、患者自身が散髪を希望していたのか、髪を切ることについて同意していたのかは確認できていません。そのため、同意の有無を断定したり、動画だけを根拠に特定の犯罪が成立したと決めつけたりすることはできません。
一方で、仮に髪を整える行為そのものに何らかの事情があったとしても、患者の様子を無断で撮影し、笑うような内容とともにSNSへ投稿することは別の問題です。
病院で治療や介護を受ける患者は、医療従事者に身体や健康状態を見せる必要があります。そのような場面を娯楽のように扱い、インターネット上で共有したことが批判を招いたと考えられます。
SNSの動画にはどのような言葉が付けられていたのか?
動画には、患者の様子を面白がるようなテロップが付けられていたと報じられています。
共同通信が伝えた投稿の一つには、「プライバシーすぎるけどほんまにおもろい」という文言がありました。
このような表現が問題視されたのは、患者のプライバシーに関わる内容だと認識しているように見える一方で、その状況を面白い出来事として扱っているためです。
ただし、SNS上で出回っている動画や画像には転載されたものも含まれています。投稿の文章が誰によって付けられたのか、複数の動画すべてが同じ職員によるものなのかなど、確認できていない点まで断定することは避ける必要があります。
病院が問題を重大視しているのも、患者の個人情報が外部に広まったという点にあります。
今回の記事では患者本人が映る動画や画像を転載せず、報道で確認できた内容だけを文章で紹介しています。
7月に発覚した問題が10月に再び炎上した経緯
今回の事件で最も注意したいのは、SNSで広く注目された時期と、病院が問題を把握した時期が異なることです。
医誠会国際総合病院は、10月15日に問題を初めて認めたわけではありません。病院は7月13日に最初の公式発表を行い、8月27日にはすでに最終報告を公表していました。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 7月12日 | 職員の個人SNSに患者情報を含む不適切な投稿があったことを病院が把握 |
| 7月13日 | 病院が謝罪し、事実関係の調査と職員への対応方針を公表 |
| 8月27日 | 病院が最終報を公表。元の投稿の削除、患者・家族への謝罪、個人情報保護委員会への報告などを説明 |
| 10月14日ごろ | 患者の動画がXなどで改めて広がり、SNS上で注目を集める |
| 10月15日 | 病院が改めて声明を発表。関係職員への懲戒処分と退職を説明 |
7月12日は問題の発覚日であり、動画の撮影日が7月12日だったと確定したわけではありません。
また、10月に動画が再び拡散されたことを受けて、7月とは別の新たな事件が発生したという公式発表も確認できていません。
10月15日の病院の説明では、今回SNS上で再び広がっている問題について、7月13日の第1報と8月27日の最終報に関連する事案として説明されています。
そのため、今回の出来事は「10月に新たな看護師の不祥事が発覚した」というよりも、7月に発覚し、8月に対応結果が公表されていた問題が、10月になって再び大きな注目を集めたと整理するのが正確です。
動画はなぜ拡散された?非公開SNSから第三者が転載
病院の8月27日付最終報では、動画が拡散した経緯についても説明されています。
それによると、当該職員は患者の個人情報を含む内容を個人の非公開SNSアカウントに投稿していました。その投稿が第三者によって別のSNSへ転載され、外部に広まったということです。
つまり、最初から誰でも見られる状態で公開されていたとは限りません。しかし、限定された相手だけが閲覧できるSNSであっても、投稿を保存したり、別の場所へ転載したりすることは可能です。
今回も、非公開アカウントへの投稿だけで情報の拡散を防げたわけではありませんでした。
病院は投稿した職員と転載した第三者に削除を要請し、元の投稿については削除されたことを確認しています。
一方で、第三者による転載や二次的な拡散については、8月27日の段階で引き続き確認していると説明していました。
10月15日の追加声明でも、現在拡散されている情報について、患者のプライバシー保護と二次被害の防止を優先して対応する方針を示しています。
したがって、元の投稿が削除されたとしても、すでに他のアカウントに転載された動画まで、すべて削除されたと考えることはできません。
看護師は解雇された?懲戒処分後に退職したと病院が公表
今回の問題を受け、関係職員がどのような処分を受けたのかも注目されています。
医誠会国際総合病院は2026年10月15日、当該職員について懲戒処分を実施しており、その後退職したため、現在は同院に在籍していないことを明らかにしました。
しかし、懲戒処分の具体的な種類は公表していません。
ここで注意したいのは、懲戒処分と懲戒解雇は同じ意味ではないことです。
懲戒処分には、就業規則などに応じて戒告・減給・出勤停止・懲戒解雇など、さまざまな種類があります。病院が公表しているのは懲戒処分を実施したことと、その後に職員が退職したという事実です。
そのため、「懲戒解雇になった」「解雇ではなく自主退職だった」といった説明は、現段階ではどちらも断定できません。
また、病院内での懲戒処分と、看護師免許に関する行政処分は別の制度です。今回の公式発表では、免許に関する処分の有無までは明らかにされていません。
看護師の実名・顔画像・SNSアカウントは公表されたのか?
医誠会国際総合病院の公式発表では、問題となった職員の実名や顔写真、年齢、個人のSNSアカウントなどは公表されていません。
また、病院の8月27日付最終報では、患者のプライバシー保護と二次被害防止を理由に、投稿の具体的な内容や詳しい経緯についての説明も控えています。
一方、SNSでは特定の病棟名や人物に言及する投稿が見られます。しかし、これらの情報については、病院による公式な確認が得られているわけではありません。
誤った人物を関係者として特定するおそれもあるため、未確認の実名やアカウント名を事件の関係者として紹介することは適切ではありません。
今回の問題を理解するうえで重要なのは、職員個人の身元を探すことよりも、実際にどのような行為が問題となり、病院がどのように対応したかという点です。
病院は患者や家族へ何と謝罪したのか?
医誠会国際総合病院は、今回の事案を重大な個人情報漏えいの問題と受け止め、患者や家族への説明と謝罪を実施しています。
8月27日の最終報では、対象となった患者と家族に対して直接説明と謝罪を行ったこと、投稿の削除を要請したこと、個人情報保護委員会へ所定の報告を完了したことが示されました。
また、同院は職員への処分の事実を院内で周知し、全職員に対してSNS利用と個人情報保護に関する注意喚起を行っています。
10月15日の追加声明でも、病院はすでに行った対応を改めて説明するとともに、現在も拡散している情報への対応を続ける考えを示しました。
再発防止策としては、職員に対する個人情報保護、SNS利用、医療従事者としての倫理に関する教育の徹底を掲げています。
ただし、再発防止策が実施されたことと、すべての転載動画が削除されたことは別です。インターネット上で拡散された情報については、今後も確認や対応が必要となる可能性があります。
院内での撮影は認められていた?患者の無断撮影が問題になる理由
読売テレビの報道によると、医誠会国際総合病院では職員による院内での撮影行為が禁止されていました。
今回の問題は、そのようなルールがある中で患者の様子を撮影し、SNSに投稿していたものです。
医療機関では、診療や看護のために患者の健康状態や身体の様子を確認する必要があります。しかし、業務上知り得た情報や患者の姿を、私的なSNSに投稿することが認められるわけではありません。
また、患者の顔や氏名を明確に写していなかったとしても、身体的な特徴、治療の様子、病室内の情報などが組み合わされば、本人を特定できる場合があります。
今回、病院が個人情報保護委員会への報告を行っているのも、患者の個人情報を含む不適切な投稿が外部に拡散されたことに対応するためです。
ただし、今回の行為が刑事事件として立件されたのか、個別の行為についてどのような法的責任が認められるのかについては、10月17日時点の公式発表からは確認できません。懲戒処分が行われたという事実だけで、特定の犯罪が成立したと断定することはできません。
千葉西総合病院・JR札幌病院の看護師SNS炎上とは別の事件
2026年10月には、ほかの病院でも看護師による患者の無断撮影やSNS投稿が相次いで問題となりました。
特に、千葉西総合病院とJR札幌病院の2件は、今回の医誠会国際総合病院と混同しないよう注意が必要です。
千葉西総合病院では看護師2人が解雇
千葉県松戸市の千葉西総合病院では、2026年10月5日の夜間勤務中に入院患者を無断撮影し、SNSで共有していた問題が発覚しました。
病院は10月10日、撮影・動画作成・投稿に関与した看護師2人を解雇したと発表。グループ内で閲覧しただけの1人については厳重注意としています。
詳しい経緯は関連記事「看護師が患者を無断撮影して炎上|千葉西総合病院で2人解雇・1人厳重注意」で整理しています。
JR札幌病院では20代看護師2人が関与
JR札幌病院では10月13日、患者の動画などがSNS上で拡散していることが発覚しました。
15日に公表された調査結果では、勤務歴1年未満の20代看護師2人が関与しており、1人が患者を撮影し、もう1人がSNSへ投稿していたことが明らかになりました。
病院は患者と家族に謝罪し、今後、就業規則などに基づいて処分を判断する方針を示しています。
詳しくは関連記事「看護師が患者を無断撮影して炎上|JR札幌病院の謝罪・本人の説明と処分状況を整理」をご覧ください。
これら3つの病院では、いずれも患者の撮影やSNS投稿が問題となっていますが、発覚した時期、関係者の人数、処分内容はそれぞれ異なります。
また、これらの事案が同じ人物や組織による一連の事件だと確認できる情報はありません。個別の不祥事として区別する必要があります。
医誠会国際総合病院のSNS投稿問題は今後どうなるのか?
医誠会国際総合病院は、7月の発覚から調査を進め、8月27日に最終報告を公表しました。さらに10月15日には、関係職員が懲戒処分を受けた後に退職していることも明らかにしています。
そのため、職員への処分についてはすでに一定の対応が行われた状態です。
一方、インターネット上で転載された動画については、元の投稿が削除されても、第三者による再投稿や再拡散が続く可能性があります。
病院も患者のプライバシーと二次被害の防止を重視しており、今後も必要な対応を行う方針を示しています。
今回の事案で確認されたのは、入院患者の様子を無断撮影してSNSに投稿した問題が2026年7月に発覚し、8月に調査結果と対応が公表された後、10月に再び大きな注目を集めたという経緯です。
報道では、患者がうめき声を上げる動画や前髪を切られる様子も伝えられていますが、患者の同意状況など、詳しい事情が確認されていない部分も残されています。
関係職員はすでに退職していますが、処分の具体的な種類は非公表です。今後新たな説明が公表された場合には、これまでに確認された事実と区別して確認する必要があります。
また、患者の映像や個人情報を含む投稿については、内容を確認する目的であっても安易に再拡散せず、患者や家族への二次被害を防ぐことが重要です。
主な参考資料と確認日
情報確認日:2026年10月17日。医誠会国際総合病院による7月13日の第1報、8月27日の最終報、10月15日の追加説明と主要報道を確認しています。病院は当該職員への懲戒処分と退職を公表していますが、処分の具体的な種類は明らかにしていません。患者の同意状況、撮影・投稿に関与した正確な人数、個別の法的責任についても確認できていない部分があります。今後新たな公式発表が出た場合には内容が更新される可能性があります。

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