北海道江別の大学生集団暴行死事件の犯人の現在|初公判まで時間がかかった理由
2024年10月、北海道江別市の公園で、当時20歳の男子大学生・長谷知哉さんが集団暴行を受けて死亡した事件。
この事件では、長谷さんの交際相手だった八木原亜麻被告や、その友人の川村葉音被告、少年らを含む男女6人が関与したとされ、6人全員が強盗致死罪で起訴されています。
事件発生から時間が経っているため、
「裁判はもう始まっているのか」
「求刑や判決は出ているのか」
「なぜ初公判までこれほど時間がかかったのか」
と気になっている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、北海道江別市で起きた大学生集団暴行死事件について、現在分かっている裁判状況と、初公判まで時間がかかった理由、さらに被告らが裁判までどのような状態にあったと考えられるのかについて整理します。
北海道江別市の大学生集団暴行死事件とは
この事件は、2024年10月、北海道江別市の公園で、大学生の長谷知哉さんが男女6人から集団暴行を受け、死亡したとされる事件です。
報道によると、事件から数日後、当時16歳から20歳の若者6人が逮捕され、その後、川村葉音被告らが強盗致死などの罪に問われています。川村被告ら3人の裁判員裁判は、2026年5月25日に札幌地裁で始まる予定と報じられています。(FNNプライムオンライン)
起訴状などによると、被告らは長谷さんに殴る蹴るの暴行を加えたうえ、「全部出せ、全額」などと言い、クレジットカードやキャッシュカードなどを奪ったとされています。
また、報道では、長谷さんへの暴行は数百発に及んだとも伝えられています。被告らは、奪ったカードを使って買い物をしたり、口座から現金を引き出したりしたとも報じられており、最終的に6人全員が強盗致死罪で起訴されています。(TBS NEWS DIG)
なお、この事件は「強盗殺人事件」と表現されることもありますが、報道上の起訴内容としては、主に「強盗致死罪」とされています。
強盗致死罪は、強盗の際に人を死亡させた場合に問われる非常に重い罪です。刑法240条では、強盗が人を死亡させた場合、「死刑又は無期拘禁刑」に処すると定められています。(e-Gov 法令検索)
犯人・被告らの現在について
裁判は始まっているのか
この記事執筆時点では裁判はまだ始まっていません。
この事件は被告ごとに裁判の日程が分かれて進んでいます。
いつ裁判が始まるのか?
まず、川村葉音被告、滝沢海裕被告、少年1人の計3人については、2026年5月25日に札幌地裁で裁判員裁判の初公判が開かれる予定と報じられています。(fnn.jp)
また、主犯格とされる当時18歳の男ら2人については、2026年7月13日に初公判が開かれる予定と報じられています。(newsdig.tbs.co.jp)
一方で、八木原亜麻被告については、強盗致死などの罪で起訴されていることは報じられていますが、少なくとも現時点では、川村被告、滝沢被告、少年1人や、主犯格とされる2人と同じように、初公判日程が大きく報じられている状況ではありません。
つまり、現時点では、すべての被告について判決が出ている段階ではありません。
一部の被告について、ようやく裁判員裁判が始まる、または始まる直前の段階と整理するのが正確です。
求刑はもう出ているのか
現時点では、求刑はまだ出ていません。
求刑とは、裁判の終盤で、検察官が「被告人にどの程度の刑を科すべきか」という意見を述べる手続きです。
そのため、初公判前や初公判が始まったばかりの段階では、通常、まだ求刑は出ていません。
この事件は強盗致死罪という非常に重い罪で起訴されているため、最終的にどのような求刑がされるのかは大きな注目点になります。
ただし、求刑が分かるのは、裁判が進み、証拠調べや被告人質問などが行われた後になると考えられます。
初公判まで時間がかかった理由
裁判員裁判に向けた準備が必要だった可能性
この事件については、2024年10月に発生し、起訴からも一定の時間が経っているため、「なぜここまで初公判まで時間がかかったのか」と感じる人もいると思います。
ただ、今回の事件は、通常の単独事件とは違い、裁判の準備に時間がかかりやすい要素がいくつもあります。
まず大きいのは、裁判員裁判の対象となる重大事件であることです。
裁判員裁判では、初公判が始まる前に「公判前整理手続き」が行われます。これは、裁判所・検察官・弁護人が、争点や証拠、証人尋問の日程などを事前に整理する手続きです。
裁判所は、公判前整理手続きについて、争点を絞り込み、必要な証拠や証拠調べの方法を検討し、公判日程や証人尋問、判決までのスケジュールを立てる手続きだと説明しています。(裁判所)
つまり、初公判まで時間がかかったからといって、裁判が放置されていたという意味ではありません。
むしろ、初公判が始まった後に、裁判員にも分かりやすい形で審理を進めるため、事前に争点や証拠を整理していた可能性があります。
被告の人数が多く、一人ひとりの関与を整理する必要があった可能性
今回の事件で特に大きいのは、関与したとされる被告の人数が多いことです。
この事件では、男女6人全員が強盗致死罪で起訴されています。
被告が1人の事件であれば、その人物が何をしたのかを中心に整理すればよいですが、今回のように6人が関わっている事件では、かなり複雑になります。
たとえば、裁判では次のような点が重要になります。
・誰が実際に暴行を加えたのか
・誰が暴行を主導したのか
・誰が金品を奪う意思を持っていたのか
・どの時点で強盗の共謀があったといえるのか
・被害者の死亡と、それぞれの被告の行為がどのように結びつくのか
このように、関わっている被告の人数が多い場合、一人ひとりの犯行の内容や関与の度合いを整理し、どこまで立証できるのかを慎重に確認する必要があります。
分かりやすく言えば、
「6人全員が同じように関与したのか」
「主導した人物と、周囲に流される形で関与した人物がいるのか」
「それぞれの被告にどこまで責任を問えるのか」
を裁判で明らかにする必要があるということです。
そのため、初公判まで時間がかかった理由としては、被告が複数いることにより、それぞれの役割や行動、共謀関係、量刑に関わる事情を整理する必要があった可能性が考えられます。
被告らは裁判が始まるまでどこにいたのか
全員の収容先や生活状況が報じられているわけではない
では、起訴されてから初公判が始まるまでの間、被告らはどこで、どのような状態にあったのでしょうか。
まず、この事件の被告全員について、起訴後から現在までの具体的な収容先や生活状況がすべて報じられているわけではありません。
ただし、川村葉音被告については、北海道ニュースUHBが事件から数か月後に「勾留中の川村被告」を独自取材したと報じています。
つまり、少なくとも川村被告については、起訴後も身柄を拘束された状態で裁判を待っていたことが分かります。(UHB:北海道文化放送)
また、UHBは2024年12月24日にも、再び勾留中の川村被告を取材したと報じています。(UHB:北海道文化放送)
一方で、八木原亜麻被告や他の被告らについては、現時点で「どこの施設に収容されているのか」「保釈されているのか」までを明確に示す報道は確認できません。
そのため、ここから先は一般的な刑事裁判の流れをもとにした説明になります。
起訴後も勾留が続く場合がある
刑事事件では、逮捕された人が起訴されると、呼び方は「被疑者」から「被告人」に変わります。
そして、起訴されたからといって、必ず釈放されるわけではありません。
裁判所の説明によると、起訴された被告人についても、罪を犯したことが疑われ、証拠を隠滅したり、逃亡したりするおそれがあり、勾留の必要性がある場合には、引き続き勾留することができます。
被告人の勾留期間は2か月ですが、証拠隠滅のおそれがあるなど一定の要件を満たせば、1か月ごとに更新することができるとされています。(裁判所)
つまり、初公判まで1年以上かかった場合でも、裁判所が勾留の必要性を認めて更新していれば、被告人はその間も身柄を拘束されたまま裁判を待つことになります。
今回のように、被害者が死亡している重大事件で、さらに被告が複数いる共犯事件の場合、逃亡のおそれや、共犯者同士の口裏合わせ、証拠隠滅のおそれなどが問題になりやすいと考えられます。
そのため、個別の保釈情報が報じられていない限り、被告らは勾留された状態で裁判を待っていた可能性が高いと考えられます。
ただし、これはあくまで一般的な刑事事件の流れから考えられることであり、全員が現在も同じ状態で勾留されていると断定することはできません。
勾留中の被告人は「刑務所で服役している」わけではない
ここで注意したいのは、裁判が始まる前の被告人は、まだ有罪判決が確定しているわけではないという点です。
そのため、勾留中であっても、刑務所で刑を受けている「受刑者」とは立場が違います。
法務省の資料では、未決拘禁者について、有罪判決が確定するまでは無罪者であると推定され、受刑者とは異なる扱いを受けると説明されています。(法務省白書)
つまり、被告人が裁判まで身柄を拘束されている場合でも、それは「刑罰として刑務所に入っている」という意味ではありません。
あくまで、裁判に出廷させるため、逃亡や証拠隠滅を防ぐために、拘置所や留置施設などで身柄を拘束されている状態と考えると分かりやすいです。
保釈される可能性はあるのか
起訴後の被告人には、保釈を請求することもできます。
ただし、保釈は必ず認められるものではありません。
特に、今回のように死亡事件であり、強盗致死という非常に重い罪で起訴されている場合、裁判所が逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれをどう判断するかが重要になります。
さらに、複数の被告が関与している共犯事件では、共犯者同士で口裏合わせをするおそれがあるかどうかも問題になりやすいと考えられます。
そのため、仮に保釈請求がされていたとしても、簡単に認められるとは限りません。
現時点で、八木原被告や川村被告らが保釈されたという明確な報道は確認できません。
そのため、記事としては、
「少なくとも川村被告については勾留中に取材を受けていたことが報じられている。他の被告についても、重大事件であることから、勾留されたまま裁判を待っている可能性があるが、個別の収容状況は明らかになっていない」
という書き方が安全です。
勾留中はどのような生活になるのか
勾留中の被告人は、一般的には拘置所や警察署の留置施設などで生活することになります。
外で自由に生活することはできず、施設内で決められた生活を送りながら、弁護人と打ち合わせをしたり、裁判の準備を進めたりすることになります。
家族などとの面会や手紙、差し入れが認められる場合もありますが、すべて自由にできるわけではありません。
また、報道で明らかになっている範囲を超えて、第三者が特定の被告の現在の収容先を正確に確認することは基本的に難しいと考えられます。
そのため、この事件についても、「現在どこの施設にいる」と断定するのではなく、報道で確認できる範囲と、一般的な刑事手続きから考えられる範囲を分けて説明する必要があります。
↓留置所と拘置所についての解説動画
裁判までの期間は被告にとっても待機期間になる
初公判まで時間がかかると、外から見ると「裁判がなかなか始まらない」と感じます。
しかし、勾留されている被告人側から見ると、その期間は自由な生活をしている時間ではなく、身柄を拘束されたまま裁判を待つ期間になります。
特に今回のような裁判員裁判では、初公判の前に公判前整理手続きが行われ、検察側・弁護側・裁判所が争点や証拠を整理します。
被告が6人いる事件では、一人ひとりの行動や役割、供述内容、共謀関係、金品を奪う意思があったのか、死亡との因果関係をどこまで立証できるのかなど、整理すべき点が多くなります。
つまり、裁判まで時間がかかった背景には、裁判員裁判の準備だけでなく、関わっている被告の人数が多く、一人ひとりの犯行内容や関与の度合いを整理する必要があった可能性があります。
そして、その間、保釈が認められていない被告は、勾留された状態で裁判の開始を待っていたと考えられます。
まとめ
北海道江別市で起きた大学生集団暴行死事件では、長谷知哉さんが集団暴行を受けて死亡し、男女6人全員が強盗致死罪で起訴されています。
現在は、川村葉音被告ら3人の裁判員裁判が2026年5月25日に始まる予定で、主犯格とされる当時18歳の男ら2人についても、2026年7月13日に初公判が予定されています。
一方で、八木原亜麻被告の公判日程は、少なくとも現時点では大きく報じられていません。
また、現時点では、まだすべての被告に求刑や判決が出ている段階ではありません。
初公判まで時間がかかった理由としては、裁判員裁判に向けた公判前整理手続きに加え、被告が6人いることで、一人ひとりの犯行内容や関与の度合い、共謀関係を慎重に整理する必要があった可能性があります。
被告らが裁判までどこにいたのかについては、全員分の詳細な情報が報じられているわけではありません。
ただし、川村葉音被告については、勾留中にUHBの取材を受けていたことが報じられています。
一般的に、強盗致死のような重大事件で起訴された被告人は、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば、起訴後も勾留が続くことがあります。
そのため、この事件については、
「少なくとも川村被告は勾留中だったことが報じられており、他の被告についても、重大な共犯事件であることから、勾留されたまま裁判を待っていた可能性がある。ただし、個別の収容先や現在の身柄状況は明らかになっていない」
と整理するのが、現時点では最も正確です。
今後の焦点は、各被告が起訴内容をどこまで認めるのか、誰の関与がどの程度重いと判断されるのか、そして最終的にどのような求刑・判決が下されるのかという点になるでしょう。


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