2024年10月、北海道江別市の公園で、当時20歳の男子大学生・長谷知哉さんが集団暴行を受けて死亡した事件。
この事件では、長谷さんの交際相手だった八木原亜麻被告や、その友人の川村葉音被告、少年らを含む男女6人が関与したとされ、6人全員が強盗致死罪で起訴されています。
事件発生から時間が経っているため、
「裁判はもう始まっているのか」
「求刑や判決は出ているのか」
「現在までの裁判の進捗状況はどうなっているのか」
と気になっている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、北海道江別市で起きた大学生集団暴行死事件について、現在分かっている裁判状況と、初公判まで時間がかかった理由、さらに現在までの裁判の進捗状況のまとめをまとめて記載します。
この記事は、2026年6月25日時点で報道されている情報をもとに整理しています。
- 北海道江別市の大学生集団暴行死事件とは
- 犯人・被告らの現在について
- 現在までの裁判の進捗状況のまとめ
- 5月25日 初公判で3人が起訴内容を認め、争点は量刑へ
- 5月26日 主犯格とされる川口被告が証人出廷するも、宣誓を拒否
- 5月27日 川村葉音被告への被告人質問で、呼び出しの経緯と暴行の様子が語られる
- 5月27日 被害者の訴え、金品奪取後の行動、遺族への謝罪も明らかに
- 5月28日 瀧澤海裕被告への被告人質問で、自首相談やクレジットカード要求の音声が示される
- 6月1日 司法解剖医が死因と救命可能性について証言
- 6月2日 強盗致死罪の成立をめぐり、中間論告・中間弁論が行われる
- 6月3日午前 札幌地裁が強盗致死罪の成立を認める中間判断
- 6月3日午後 川村葉音被告の両親が証人として出廷
- 6月5日午前 川村葉音被告が改めて謝罪し、遺族への思いを述べる
- 6月5日午後 被害者の姉が意見陳述し、厳罰を求める
- 6月5日午後 検察は川村葉音被告に無期懲役を求刑
- 年6月10日の被告人質問
- 6月11日 瀧澤海裕被告に懲役20年を求刑
- 6月18日 当時16歳の少年の量刑審理が行われる
- 6月19日 当時16歳の少年に懲役10年以上15年以下の不定期刑を求刑
- 6月25日 川村葉音被告ら3人に判決
- 7月9日 川村葉音被告の懲役30年判決に対し、検察側が控訴
- 被告らは裁判が始まるまでどこにいたのか
- まとめ
北海道江別市の大学生集団暴行死事件とは
この事件は、2024年10月、北海道江別市の公園で、大学生の長谷知哉さんが男女6人から集団暴行を受け、死亡したとされる事件です。
報道によると、事件から数日後、当時16歳から20歳の若者6人が逮捕され、その後、川村葉音被告らが強盗致死などの罪に問われています。
起訴状などによると、被告らは長谷さんに殴る蹴るの暴行を加えたうえ、「全部出せ、全額」などと言い、クレジットカードやキャッシュカードなどを奪ったとされています。
また、報道では、長谷さんへの暴行は数百発に及んだとも伝えられています。
被告らは、奪ったカードを使って買い物をしたり、口座から現金を引き出したりしたとも報じられており、最終的に6人全員が強盗致死罪で起訴されています。
なお、この事件は「強盗殺人事件」と表現されることもありますが、報道上の起訴内容としては、主に「強盗致死罪」とされています。
強盗致死罪は、強盗の際に人を死亡させた場合に問われる非常に重い罪です。刑法240条では、強盗が人を死亡させた場合、「死刑又は無期拘禁刑」に処すると定められています。(e-Gov 法令検索)
犯人・被告らの現在について
裁判は始まっているのか
裁判は現在すでに始まっていて、2026年5月25日から始まっています。
判決はもう出ているのか
6月25日午後時点の報道を確認すると、川村葉音被告ら3人には、いずれも実刑判決が言い渡されています。現時点では速報・当日報道が中心のため、控訴の有無などはまだ確認できていません。
判決は、川村葉音 被告が懲役30年、瀧澤海裕 被告が懲役20年、当時16歳の少年が懲役9年以上13年以下の不定期刑です。
| 被告 | 検察側の求刑 | 判決 |
|---|---|---|
| 川村葉音被告 | 無期懲役 | 懲役30年 |
| 瀧澤海裕被告 | 懲役20年 | 懲役20年 |
| 当時16歳の少年 | 懲役10年以上15年以下の不定期刑 | 懲役9年以上13年以下の不定期刑 |
川村被告については、検察側が無期懲役を求刑していましたが、札幌地裁は有期刑の上限となる懲役30年を選択しました。
瀧澤被告は求刑通り懲役20年、少年は求刑の懲役10年以上15年以下よりやや軽い不定期刑となっています。
現在までの裁判の進捗状況のまとめ
現在、川村葉音被告、瀧澤海裕被告、当時16歳の少年の3人の裁判が5月25日から始まっています。
この裁判の進捗状況を2026年6月25日時点で報道されている情報をもとに整理しています。
なお、ここで紹介する内容には、検察側の主張、弁護側の主張、被告人質問での供述、証人尋問の内容が含まれます。最終的にどの事実がどの程度認定されるかは、今後の審理と判決を待つ必要があります。
5月25日 初公判で3人が起訴内容を認め、争点は量刑へ
5月25日、札幌地裁で江別市の男子大学生集団暴行死事件の裁判員裁判が始まりました。
今回審理されているのは、川村葉音被告、瀧澤海裕被告、当時16歳の少年の3人です。
3人は、八木原亜麻被告や川口侑斗被告らと共謀し、2024年10月、江別市内の公園で大学生の長谷知哉さんを脅して現金やクレジットカードなどを奪い、暴行を加えて死亡させたとして、強盗致死などの罪に問われています。
初公判では、3人とも起訴内容を認めました。
この時点でまず大きかったのは、3人が起訴内容そのものを争わなかったことです。
つまり、この裁判では「やったのか、やっていないのか」という認否よりも、それぞれがどの程度の責任を負うのか、どのような量刑になるのかが中心的な争点になったと考えられます。
HTBの報道では、この裁判は全13回予定され、判決は6月25日に言い渡される予定とされています。
この日の冒頭陳述では、検察側が暴行の流れをかなり具体的に説明しました。
報道によると、最初の暴行、金品要求につながる場面、その後さらに暴行が長時間続いた場面という構図を示しています。
特に、金を要求する方針が決まった後の暴行が長く執拗に続き、それが死亡結果につながったという見方を示した点が重要です。
一方で、弁護側は、被告らの未熟さや判断力の乏しさ、集団の中で互いに同調して暴行がエスカレートしていったという点を主張しています。
暴行内容についての内容については別記事「江別集団暴行事件の暴行内容まとめ|初公判で明らかになった被告らの行動とは」でまとめています。
5月26日 主犯格とされる川口被告が証人出廷するも、宣誓を拒否
裁判2日目の5月26日には、別に起訴されている川口侑斗被告が証人として出廷しました。
川口被告は、この事件で暴行や強盗を主導したとみられている人物と報じられています。
しかし、法廷では宣誓を求められたものの、宣誓を拒否しました。
UHBの報道では、川口被告は「自分の裁判で証言する」という趣旨の説明をし、数分で退廷したとされています。
今回裁かれている3人がどの程度「主導した」のか、それとも「主犯格に従った」のかは量刑に関わる重要な部分となります。
5月27日 川村葉音被告への被告人質問で、呼び出しの経緯と暴行の様子が語られる
裁判3日目の5月27日には、川村葉音被告への被告人質問が行われました。
報道によると、川村被告は、事件当日に長谷さんを呼び出した理由について、長谷さんの言葉に腹を立てたことがきっかけだったと説明しています。
HTBは、川村被告が電話で長谷さんに対し、暴行をほのめかすような発言をしたと報じています。
この日の供述で重要なのは、川村被告が事件の入り口にあたる「呼び出し」に関わっていた点が改めて示されたことです。
川村被告は、長谷さんの言葉にいら立って行動に出た一方で、暴行がここまでエスカレートするとは思っていなかったという趣旨の説明もしています。
さらに、川村被告が自分自身も暴行に加わったことを認める場面も報じられています。
報道によると、暴行が一度落ち着いたように見えた後、八木原被告の発言をきっかけに再び暴行が始まり、川村被告自身も長谷さんの背中や胸のあたりを踏んだと説明しています。
また、別の少年が長谷さんに馬乗りになり、顔付近を殴り続けた場面についても語られています。
この点は、川村被告が単に現場にいただけではなく、実際に暴行の一部に加わっていたことを認めているため、量刑判断でも重く見られる可能性があります。
5月27日 被害者の訴え、金品奪取後の行動、遺族への謝罪も明らかに
5月27日の審理では、被害者が暴行の中で助けを求めるような言葉を発していたことも明らかになっています。
HBCの報道によると、川村被告は、長谷さんが「もう僕をいじめるのやめてください」という趣旨の言葉を発していたことを聞いていたとされています。
また、金品を奪った後の行動についても具体的な内容が出ています。
報道では、長谷さんの口座から12万6000円が引き出され、その後、現金が複数人に山分けされています。
さらに、一部の少年が自分の取り分に不満を述べたような場面も報じられています。暴行だけではなく、金品を奪った後にどのように行動していたのかも、強盗致死事件としての悪質性を判断するうえで重要な材料になりそうです。
川村被告はこの日、傍聴していた遺族に対して謝罪の言葉も述べました。
UHBは、川村被告が「大切な人の命を奪ってしまい、申し訳なく思っています」という趣旨の言葉をふるえた口調で述べたと報じています。
5月28日 瀧澤海裕被告への被告人質問で、自首相談やクレジットカード要求の音声が示される
裁判4日目の5月28日には、瀧澤海裕被告への被告人質問が行われました。
HTBによると、この日の法廷では、長谷さんが録音していた音声が再生され、その中には瀧澤被告が長谷さんにクレジットカードを要求する場面が含まれていたとされています。
ただし、瀧澤被告はその点について「覚えていない」という趣旨の証言をしたと報じられています。
また、瀧澤被告は、事件翌日に主犯格とされる川口被告と会い、自首を考えていることを伝えたと証言しています。
しかし、川口被告からは「したければ一人で勝手に自主しろ」というような突き放すような返答をされたと報じられています。
↓被疑者たちの犯行後のLINEのやり取りについては別記事「江別集団暴行事件の犯行後LINE内容まとめ」にまとめてあります↓

つまり、5月28日の瀧澤被告の供述は、自分が主導したわけではなく、川口被告らの流れに従わされたという方向性の説明だったと見られます。
瀧澤被告と16歳少年は「指示された」と説明
同じ5月28日の審理では、瀧澤被告が、いわゆる飛び蹴りのような暴行について、川口被告から指示されたため行ったという趣旨の証言をしたと報じられています。
検察側から、その行為が場をあおることになったのではないかと問われると、瀧澤被告は、暴力を振るってもいいような雰囲気になった可能性を認める趣旨の発言をしています。
また、当時16歳の少年への被告人質問も行われ、少年は「ライダーキック」と叫びながら飛び蹴りの動画を撮影した理由について、川口被告に撮るよう言われたからだと説明しています。
つまり、5月28日の審理では、瀧澤被告と少年のどちらも、川口被告からの指示や場の空気に従ったという方向の供述をしている形です。
ただし、ここで注意すべきなのは、「指示された」「従属的だった」という供述が、そのまま責任を大きく軽くするとは限らないことです。実際に暴行に加わったのか、どのような暴行をしたのか、被害者の状態をどう認識していたのか、金品を奪う行為にどこまで関わったのかが、今後の量刑判断で細かく見られることになると思われます。
5月28日までで特に重く見えるポイント
5月28日までの裁判でまず大きいのは、今回審理されている3人が起訴内容を認めているため、裁判の中心が「有罪か無罪か」ではなく、「どの程度の刑にするべきか」に移っていることです。
検察側は、金品を奪う目的が生じた後も長時間にわたり暴行が続いた点を重く見ている一方で、弁護側は、未熟さ、判断力の乏しさ、集団内での同調や恐怖を主張しているように見えます。
次に重いのは、3人の供述から、事件が単なる一時的な暴行ではなく、呼び出し、暴行、金品要求、現金の引き出し、分配という流れを伴っていた点が法廷で具体的に出てきていることです。
特に、被害者が苦痛を訴えていたとされる場面や、被害者の金を引き出して山分けしたとされる場面は、量刑判断において非常に重く見られる可能性があります。
現時点で見えている構図としては、検察側は「集団で金品を奪い、暴行を続けて死亡させた重大事件」として3人の責任を重く見せようとしており、弁護側・被告側は「主犯格に従った」「怖くて止められなかった」「ここまで悪化すると思っていなかった」という方向で、個別の責任の程度を争っているように見えます。
6月1日 司法解剖医が死因と救命可能性について証言
6月1日の裁判では、前回途中で終わっていた当時16歳の少年への被告人質問の続きと、長谷知哉さんの遺体を司法解剖した医師への証人尋問が行われました。
報道によると、少年は暴行について、主犯格とされる川口侑斗被告に恩があり、「裏切りたくないと思ってやりました。逆らえなかった」という趣旨の説明をしたとされています。
この供述からは、少年側が「主導したのではなく、川口被告に従った」という方向で、自身の立場や責任の重さを説明しようとしていることが見えてきます。
また、司法解剖を担当した医師は、長谷さんの死因について外傷性ショックと説明しました。
さらに、暴行後すぐに救急車を呼んでいれば、高い確率で命が助かった可能性があるという趣旨の証言もあったと報じられています。
この日の審理で重要なのは、暴行そのものの悪質性だけではなく、暴行後に救護されず放置されたことも、量刑判断の中で重く見られる可能性があるという点です。
6月2日 強盗致死罪の成立をめぐり、中間論告・中間弁論が行われる
6月2日の裁判では、強盗致死罪が成立するかどうかを整理するため、中間論告・中間弁論が行われました。
検察側は、長谷さんの死因は全身の出血による外傷性ショックだったとしたうえで、最初の暴行だけでなく、金品を要求した後の暴行も死亡につながる大きな要因だったと改めて主張しました。
報道によると、検察側は一連の暴行を大きく3つの段階に分けています。
- 金品を奪う意思がなかったとされる第1暴行
- 金品の要求が始まった第2暴行
- その後、死亡結果につながったとされる第3暴行
検察側は、第1暴行と第2暴行の時点では長谷さんが会話できていた一方で、第3暴行では意識が弱っていく様子が動画や音声から確認できると指摘しています。
そのうえで、一連の暴行は長谷さんの死亡と因果関係があり、金品を奪う場面と結びついているとして、3人には強盗致死罪が成立すると主張しました。
一方で、弁護側も強盗致死罪の成立そのものは争っていないと報じられています。
つまり、6月2日の時点で裁判の中心は、「強盗致死罪が成立するのか」ではなく、3人それぞれにどの程度の刑を科すべきなのかという量刑の争いに移っていると考えられます。
強盗致死罪なのに、なぜ量刑が争点になるのか?
ここで疑問に感じるのが、強盗致死罪の量刑です。
強盗致死罪は、法律上は死刑または無期拘禁刑とされている非常に重い罪です。従来の言い方でいえば、死刑または無期懲役にあたります。
そのため、「罪名を争わないのであれば、死刑か無期刑しかないのではないか」と感じる方もいると思います。
ただし、実際の裁判では、情状によって刑を軽くする酌量減軽という仕組みがあるようです。
つまり、強盗致死罪が成立したとしても、裁判所が被告ごとの事情を考慮し、無期拘禁刑を有期刑に下げる余地があるとみて弁護側はそこに焦点を置いている可能性があるそうです。
そのため、今回の裁判で弁護側が争っているのは、単純に「強盗致死罪にあたるかどうか」ではなく、無期刑にするのか、それとも有期刑まで下げるべきなのかという点だと考えられます。
特に今回の事件では、複数人が関与しているため、量刑では以下のような点が重要になりそうです。
- 誰が犯行を主導したのか
- 誰が金品を奪う流れに深く関わったのか
- 暴行にどの程度積極的に加わったのか
- 途中で止める機会があったのか
- 主犯格とされる人物にどの程度従属していたのか
- 被害者の危険な状態をどこまで認識していたのか
- 反省や謝罪、更生可能性があるのか
弁護側は、3人の暴行は主犯格とされる人物に同調したものだとして、情状酌量を求めていると報じられています。
つまり、弁護側としては「強盗致死罪は成立するとしても、この3人が主犯格と同じ重さで処罰されるべきなのか」という点を争っていると見られます。
6月3日午前 札幌地裁が強盗致死罪の成立を認める中間判断
6月3日午前の裁判では、前日の中間論告・中間弁論を受け、札幌地裁が3人について強盗致死罪が成立するという中間判断を示しました。
裁判所は、証拠や被害者の遺体の状況などから、金品を要求した後の暴行によって長谷知哉さんが死亡したと認定できると判断したと報じられています。
これにより、この裁判では強盗致死罪の成立を前提に、今後は3人それぞれの情状や量刑が審理されることになります。
強盗致死罪の法定刑は、死刑または無期拘禁刑です。従来の表現でいえば、死刑または無期懲役にあたる非常に重い罪です。
ただし、今後は3人の裁判が分離され、それぞれの関与の程度、主導性、年齢、反省の有無、更生可能性などが個別に審理されると見られます。
つまり、6月3日の中間判断によって、裁判の焦点はより明確に「強盗致死罪が成立するか」から「3人それぞれにどの程度の刑を科すべきか」へ移った形です。
6月3日の午後には被告の両親が法廷にて証言をするとのことです。
6月3日午後 川村葉音被告の両親が証人として出廷
6月3日午後の裁判では、川村葉音被告の父親と母親が証人として出廷し、川村被告の性格や家庭での様子、事件後の受け止め、被害者遺族への謝罪や賠償について証言しました。
父親は、被害者や遺族に対して謝罪したうえで、できる限り賠償に向けて向き合いたいという趣旨の発言をしました。
一方で、現時点で具体的な賠償の準備があるわけではなく、事件後に親族や協力者が離れていったこと、他の共犯者の親との話し合いもまだ行われていないことが明らかになっています。
また、父親は川村被告の高校時代のいじめについても触れ、当時、娘に対して「やられたらやり返す」という方向の助言をしたことを認めました。
さらに、事件の音声を一部聞いたことについては、内容が非常にひどく、言葉遣いの悪さを感じたという趣旨の証言をしています。
母親は、川村被告について「優しい子だった」としつつ、思ったことをすぐ口に出すところや、言葉遣いが乱暴な面があったことを認めました。
母親自身も言葉遣いが乱暴な方だったため、それが家庭内で当たり前になっていた可能性にも触れています。
また、川村被告が高校時代に孤立していたことや、友人関係の中で流されやすい面があったことも証言されました。
事件後については、川村被告から手紙が届いており、当初は謝罪の言葉が中心だったものの、時間が経つにつれて「なぜこんなことをしてしまったのか」「償っていかなければならない」という趣旨の言葉も出てきたと説明しています。
母親は、川村被告がまだ幼く、自分で考える力が足りなかったという趣旨の話をし、家を出すのが早かったことを親として反省しているとも述べました。
一方で、暴行の音声を聞いた際には、親としても大きな衝撃を受けたと証言しています。
被害者遺族への賠償については、申し入れが受け入れられるかどうかは別として、誠意をもって償っていきたいという考えを示しました。
ただし、現時点ではまとまった金銭を用意することは難しいとも説明しています。(今回の事件の対応や支払いに追われている様子で周りの人もこの事件で離れてしまったためとのこと。)
この日の親族証言で見えてきたのは、弁護側が川村被告の家庭環境、性格、未熟さ、更生可能性を量刑判断の材料として示そうとしていることです。
ただし、両親の証言はあくまで情状面に関するものであり、午前中に札幌地裁が示した強盗致死罪の成立という中間判断そのものを覆すものではないとのこと。
今後の審理では、川村被告が事件の中でどの程度主体的に関わったのか、反省や更生可能性をどこまで評価するのかが、量刑を考えるうえで重要なポイントになりそうです。
6月4日は裁判はありませんでした。
6月5日午前 川村葉音被告が改めて謝罪し、遺族への思いを述べる
6月5日午前の裁判では、川村葉音被告への被告人質問が行われました。
川村被告は、弁護人から長谷知哉さんの遺族に伝えたいことを問われ、改めて謝罪の言葉を述べています。
報道によると、川村被告は「痛い思いや苦しい思いをさせ、大切な家族の命を奪ってしまい、本当に申し訳ございませんでした」と述べたとされています。
また、弁護人から「遺族が何を望んでいると思うか」と問われると、川村被告は「遺族は自分に対して死をもって償うことや、一生刑務所に入って償うことを望んでいると思う」という趣旨の発言をしました。
さらに「社会に出ることができるなら、事件現場の公園に花を置いて手を合わせ、遺族が許すのであれば墓参りをして手を合わせることも償いの一つだと思う」という内容も述べています。
一方で、集団暴行を止めることができたのかという点については、主犯格とされる人物への恐怖が強く、本人を止めることはできなかったと思う、という趣旨の説明をしました。
弁護人から「事件当時の自分の行動で何が問題だったか」と思うか問われると、川村被告は「何も考えずに行動していたことです」と答えたと報じられています。
この午前の審理では、川村被告が反省や謝罪を述べる一方で、主犯格とされる人物への恐怖や、自分の判断の未熟さを説明する内容が中心になりました。
6月5日午後 被害者の姉が意見陳述し、厳罰を求める
6月5日午後の裁判では、死亡した長谷知哉さんの姉が意見陳述を行いました。
報道によると、長谷さんの姉は法廷で、川村被告への強い怒りと厳罰を求める気持ちを述べました。
紹介されている発言の中では、「極刑に処していただきたい」「命が尽きるその日まで戦います」という言葉も報じられています。
この意見陳述は、被害者遺族が今回の事件をどれほど重く受け止めているのか、そして川村被告に対してどのような処罰感情を持っているのかが示された場面だったといえます。
6月5日午後 検察は川村葉音被告に無期懲役を求刑
同じ6月5日午後には、川村葉音被告への論告求刑が行われました。
検察側は、川村被告について無期懲役を求刑しました。
検察側は、川村被告の金品要求や強盗行為について、自発的な行動であり、単なる同調圧力では説明できないと指摘したと報じられています。
HTBの報道では、検察側が「強固な強盗の意思が認められる」「川村被告の役割は重要。原因を作り出した」などとして、無期懲役を求刑したとされています。
つまり、検察側は、川村被告が事件の流れの中で従属的だったというよりも、長谷さんを呼び出すきっかけや金品要求の流れに重要な役割を果たしたと見ている形です。
弁護側は13年の有期懲役が相当と主張
一方で、弁護側は、犯行に計画性はなく、暴行は偶発的なものだったなどとして、13年の有期懲役が相当だと主張しました。
強盗致死罪の法定刑は死刑または無期拘禁刑ですが、情状によって刑が減軽される可能性があるため、今回の川村被告の審理では、無期刑にするのか、有期刑まで下げるのかが最大の争点になっています。
川村葉音被告の最終意見陳述と判決予定
求刑を受けたあと、川村被告は最終意見陳述で、事件を起こして多くの人につらい思いをさせたこと、被害者遺族から大切な家族の命を奪ったことについて、改めて謝罪しました。
ただ求刑を聞いている間は、川村被告の表情は変わらずに聞いていたそうです。
報道では、川村被告が「本当に申し訳ございませんでした」という趣旨の言葉を述べたとされています。
年6月10日の被告人質問
瀧澤被告の証言や尋問の内容について以下の通りまとめます。
1. 暴行(飛び蹴り)に至った経緯と心理
瀧澤被告は、被害者に対し「ライダーキック」と称して苛烈な飛び蹴りを行いました。その理由について、主犯格とされる川口被告から「やって」と言われたことを挙げ、集団内の心理を以下のように証言しました。
- 「暴力(を)振るっていなかったのは自分だけで、やらないと悪い雰囲気になると(思)った」
- 「置いて行かれるのが怖かった」
- 「川口被告にやってと言われたから」
- 現場の状況について:「楽しい雰囲気に、暴力を振るってもいいとなったのかも(しれません)」
- 事件当日の当初の認識:「話し合いで終わると思っていた」
一方で、検察側からは、暴行を止めることなく「ウケる」などと言って嘲笑し、暴行を促していた点も指摘されています。
2. 金品要求(強盗致死罪に関連する行為)について
強盗致死罪の成否に関わるクレジットカードの要求について、被害者のスマートフォンに証拠音声が残っているにもかかわらず、尋問に対して以下のように回答しています。
- カード要求の事実について:「覚えていない」
3. 事件後の行動と主犯格とのやり取り
事件翌日、主犯格の川口被告と接触した際のやり取りについても明らかにされました。
- 自首の相談をした際、川口被告から言われた言葉:「うるせえ、自分だけ自首しろ」
- 通報できなかった理由:「川口被告に何を言われるかわからなかった」
4. 逮捕直後の心境と現在への変化
裁判では、逮捕当時と現在の規範意識の変化についても証言がありました。
- 逮捕直後の心境:「オレってそんなに悪いのかな」
- (共犯者より暴行の回数が少ないことを理由にそのように証言)
- 自身の暴行回数の認識:「暴力は片手で数え切れるくらいしかやっていない」
- 現在の認識:「暴行の回数が多い少ないではなく、今は自分が悪いと思っている」
5. 遺族への謝罪
6月10日の公判で、瀧澤被告は証言台の椅子に座ったまま、遺族に向けて以下の通り謝罪の言葉を述べました。
- 「被害者さんにはこの先の人生と命すべてと、遺族の皆様には大切な人の命を奪ってこの先一生消えることのない傷を負わせて本当に申し訳ございません」
裁判所はこれらの一連の証言や証拠に基づき、6月9日の中間判断において、金品要求後の暴行が死亡の原因になったとして、瀧澤被告ら3人全員に強盗致死罪が成立するとの判断を示しています。
6月11日 瀧澤海裕被告に懲役20年を求刑
6月11日の裁判では、瀧澤海裕被告の被告人質問、被害者家族の心情陳述、論告求刑、弁護側の意見、最終意見陳述が行われ、瀧澤被告の審理は結審しました。
検察側は、瀧澤被告に対して懲役20年を求刑しました。
報道によると、検察側は瀧澤被告の暴行について、危険で強いものであり、他の共犯者の暴行を促進したと指摘しています。
また、暴行は自ら考えて行ったものだとした一方で、他の共犯者と比べると終始犯行を主導していたとは言えないこと、犯行当時18歳だったことも考慮し、懲役20年を求刑したとされています。
検察側は、「被害結果は誠に重く、肉体的・精神的苦痛ははかりしれない」と指摘しながらも、瀧澤被告については「終始主導したとは認められない」「犯行時は少年であった」という点も踏まえたと報じられています。
一方で、弁護側は、瀧澤被告の暴行は長時間の中で見れば限定的で、死因に直結するものではないと主張しました。
さらに、他人の言動に左右される未熟さがあったことや、反省を深めていること、家族が被害弁償の準備を進めていることなどを挙げ、懲役15年が妥当だと主張しています。
瀧澤被告:「死刑か無期だと思います」
この日の被告人質問では、検察側から「強盗致死罪は重たい罪だが、どのような刑が下されると思うか」と問われ、瀧澤被告は「死刑か無期だと思います」と答えたと報じられています。
強盗致死罪は、法律上は死刑または無期拘禁刑が定められている非常に重い罪です。
ただし、今回の瀧澤被告については、検察側も犯行時18歳だったことや、終始主導したとは認められない点を考慮し、有期刑である懲役20年を求刑した形です。
被害者家族は厳罰を求める心情を述べる
6月11日の裁判では、長谷知哉さんの家族の心情陳述も行われました。
HTBの報道によると、長谷さんの父親の心情陳述が代理人弁護士によって読み上げられ、父親は「死刑か無期懲役しかない。それがないと息子は報われない」として、瀧澤被告に厳しい罰を求めたとされています。
また、HBCの報道では、被害者の姉の言葉として、「弟を返して。犯人の顔、名前、弟の死に顔、全て忘れない」という発言も伝えられています。
さらに、遺族側からは「人を殺して友人と遊び、楽しかったですか」という問いかけや、瀧澤被告に対して強い怒りを示す言葉も報じられています。
これは被告人たちは長谷さんを暴行した後に奪ったキャッシュカードで現金を全ておろして、その金でラーメンを食べに行ったり、遊びに行ったりしていることについて話していると思われます。
これらの発言からは、遺族が今も深い悲しみと怒りを抱えており、瀧澤被告に対して極めて厳しい処罰感情を持っていることが分かります。
瀧澤被告は最後に謝罪し、判決は6月25日へ
最後に、裁判長から言いたいことを問われた瀧澤被告は、被害者を苦しめ、命を奪ってしまったことについて謝罪しました。
報道では、瀧澤被告が「僕の勝手な行動で痛めつけて苦しめ、命を奪ってしまったこと、本当に申し訳ございませんでした」という趣旨の言葉を述べたとされています。
これにより、瀧澤被告の審理は結審しました。
判決は、川村葉音被告や当時16歳の少年と同じく、6月25日に言い渡される予定です。
今回の審理で、瀧澤被告については、検察側が懲役20年、弁護側が懲役15年を主張する形となりました。今後は、裁判所が瀧澤被告の暴行への関与、暴行を助長したとされる役割、犯行当時18歳だったこと、反省や更生可能性をどのように評価するのかが注目されます。
6月18日 当時16歳の少年の量刑審理が行われる
6月18日の裁判では、当時16歳の少年について、量刑に関する審理が行われました。
札幌地裁はすでに3人について強盗致死罪が成立するとの中間判断を示しているため、この日の審理でも争点は少年にどの程度の刑を科すべきかという点に移っています。
検察側は、少年が自身のサンダルに血がついたことに因縁をつけて長谷知哉さんに暴行したなどとして、責任は軽いものではなく、酌量する事情はないと指摘しました。
一方で、弁護側は、少年が主犯格とされる川口侑斗被告に恩を感じており、その関係性を重視して犯行に及んだと主張しています。
また、事件当時の年齢が若く、更生の可能性があることなどから、情状酌量を求めました。
この日は、少年の母親も証人として出廷しています。
報道によると、母親は弁護人から、息子が社会に戻ることがあった場合に何をするか問われ、「同じことを繰り返さないように一緒に考え、歩み寄っていきたい」という趣旨の証言をしたとされています。
この日の審理で見えてきたのは、検察側が少年の暴行への関与を重く見ている一方で、弁護側は年齢や家庭環境、主犯格との関係性、更生可能性を量刑面で考慮するよう求めているという構図です。
6月19日 当時16歳の少年に懲役10年以上15年以下の不定期刑を求刑
6月19日の裁判では、当時16歳の少年に対する論告求刑が行われました。
検察側は、少年について懲役10年以上15年以下の不定期刑を求刑しました。
検察側は、少年が犯行を主導したとまではいえないとしながらも、自ら犯行に加担しており、責任は軽いとはいえないと指摘しています。
また、暴行を止めることなく、被害者を嘲笑し、暴行に同調していた点も重く見たと報じられています。
さらに、少年が自身のサンダルに血がついたことに腹を立て、長谷さんの腹部を蹴ったことについても、責任が軽微とはいえないと指摘しました。
ただし、犯行時16歳だったことも踏まえ、検察側は、少年には相当に長期間の矯正教育が必要だとして、懲役10年以上15年以下の不定期刑を求刑した形です。
一方で、弁護側は、少年が最年少で従属的な立場だったと主張しました。
弁護側は、少年には周囲に判断を委ねる傾向があり、生育環境などから「格上」と判断した人物には反抗せず従う傾向があったと説明しています。
そのうえで、少年の置かれた環境や犯行に及んだ要因も考慮するべきだとして、懲役5年以上10年以下の不定期刑が相当だと主張しました。
つまり、少年については、検察側が懲役10年以上15年以下、弁護側が懲役5年以上10年以下を主張する形となり、量刑の幅をめぐる争いが明確になりました。
被害者の姉が意見陳述し、少年も謝罪
6月19日の裁判では、長谷知哉さんの姉による意見陳述も行われました。
報道によると、長谷さんの姉は、少年に対して「法律ができる最大限の刑に処していただきたい」と訴えたとされています。
また、犯行後の被告らの行動に対する強い怒りとして、「弟を見殺しにして食べたラーメンは美味しかったですか」という言葉も報じられています。
この発言は、暴行後に被告らが奪った金を使って行動していたとされる点に対する、遺族の深い怒りを示すものといえます。
一方、少年は最終弁論で、被害者や遺族に対して謝罪の言葉を述べました。
報道では、少年が「被害者や被害者遺族にしたことを考えていきます。本当に申し訳ございませんでした」と述べたとされています。
これにより、川村葉音被告、瀧澤海裕被告、当時16歳の少年の3人について、検察側の求刑と弁護側の主張が出そろいました。
検察側は、川村被告に無期懲役、瀧澤被告に懲役20年、当時16歳の少年に懲役10年以上15年以下の不定期刑を求刑しています。
6月25日 川村葉音被告ら3人に判決
6月25日、札幌地裁は、江別市の公園で大学生の長谷知哉さんが集団暴行を受け死亡した事件の裁判員裁判で、川村葉音被告、瀧澤海裕被告、当時16歳の少年の3人に判決を言い渡しました。
判決は、
- 川村葉音被告が懲役30年
- 瀧澤海裕被告が懲役20年
- 当時16歳の少年が懲役9年以上13年以下の不定期刑
となりました。
川村葉音被告に懲役30年となった理由
川村被告について、札幌地裁は、事件を主導したとまではいえないとしつつも、事件の発端や金品を奪う流れに重要な役割を果たしたと判断したようです。
HBCの報道では、裁判長は川村被告について、八木原亜麻被告から相談を受け、主犯格とされる人物と被害者が通話する機会を作ったこと、事件当日に当時16歳の少年にも暴行を促したこと、金銭強奪にも同調・加担したことなどを指摘しています。
さらに、反省はしているものの、真の意味で責任に向き合っていないと評価した一方、暴行回数や死亡への関与は他の被告らと比べると薄い点も考慮し、「無期懲役とはいえない」として懲役30年を言い渡したとされています。
つまり、検察側の求刑通り無期懲役にはならなかったものの、裁判所は川村被告の責任を非常に重く見て、有期刑の上限である懲役30年を選んだ形です。
瀧澤海裕被告は求刑通り懲役20年
瀧澤被告については、求刑通り懲役20年の判決となりました。
STVの報道では、瀧澤被告について、強盗行為に一定の役割を果たしたと指摘されたとされています。また、これまでの審理では、瀧澤被告が「ライダーキック」と称して飛び蹴りをするなどの暴行に関与したことも報じられていました。
裁判所は、川村被告ほど事件の発端を作ったわけではない一方、暴行や強盗行為への関与を重く見たと考えられます。
当時16歳の少年は懲役9年以上13年以下の不定期刑
当時16歳の少年には、懲役9年以上13年以下の不定期刑が言い渡されました。
検察側は懲役10年以上15年以下の不定期刑を求刑していましたが、判決はそれより少し軽い範囲になっています。STVの報道では、少年について、自らの意思で犯行に加担したと認めつつ、若い年齢であることなども理由として述べられたとされています。
少年については、成人被告と違い、不定期刑という形で「9年以上13年以下」と幅を持たせた判決になった点が大きな特徴です。
裁判所の様子・傍聴希望者の状況
6月25日の判決公判には大きな注目が集まりました。報道によると、46席の傍聴券を求めて、朝から274人が列を作ったとされています。
また、STVの報道では、傍聴希望者から「どのような判決が下されるのか気になる」「厳しい判決を望んでいます」といった声も紹介されています。
裁判長は3人に「生涯かけて」考えるよう促す
判決を言い渡した後、札幌地裁の高杉昌希裁判長は、3人に対して反省と償いについて言葉をかけました。
HBCの報道では、裁判長は3人に対し「君たちはとんでもないことをした」と述べたうえで、どうしてこうなったのか、途中でなぜ止められなかったのかを、逃げずに考え続けるよう促したとされています。さらに、「どういう償いができるのか考えてみてください」という趣旨の言葉も伝えたと報じられています。
この場面は、単に刑を言い渡すだけではなく、被告らに対して、事件の重大さと今後向き合うべき課題を強く示した場面だったといえます。
また、判決後、川村被告と瀧澤被告は、裁判長の方を向いて話を聞いていたとも報じられています。
7月9日 川村葉音被告の懲役30年判決に対し、検察側が控訴
7月9日、江別市の大学生集団暴行死事件で、懲役30年の判決を受けた川村葉音被告について、検察側が控訴したことが報じられました。
ここで注意したいのは、控訴したのは川村被告側ではなく、検察側だという点です。
川村被告は、2024年10月、ほかの5人と共謀し、江別市内の公園で大学生の長谷知哉さんに暴行を加えて死亡させたうえ、現金やカードなどを奪ったとして、強盗致死などの罪に問われていました。
6月25日の一審判決で、札幌地裁は川村被告に対し、懲役30年を言い渡しています。
一審で検察側は、川村被告について「犯行は著しく悪質で、情状に酌量すべき事情が見いだせない」として、無期懲役を求刑していました。
一方、弁護側は、最初から加害行為を計画していたものではなく偶発的だったなどとして、13年の有期懲役が妥当だと主張していました。
札幌地裁は判決で、川村被告について「主導したとは言えないが、流れを作り出して犯行をけん引していた」と指摘しました。
また、主犯格とされる川口侑斗被告の金銭要求に同調し、金品を奪う流れを作り出したことも重く見ています。
その一方で、暴行の回数や程度はほかの共犯者より少なく、死亡への寄与は限定的だとして、無期懲役ではなく、有期刑の上限である懲役30年が相当と判断していました。
今回、検察側はこの一審判決を不服として控訴した形です。
つまり、今後の控訴審では、川村被告に対する懲役30年という量刑が妥当なのか、それとも検察側が求めていた無期懲役に近い、より重い判断が必要なのかが争点になるとみられます。
7月9日時点で控訴されたのは川村被告の判決のみとみられる
6月25日の判決では、川村葉音被告に懲役30年、瀧澤海裕被告に懲役20年、当時16歳の少年に懲役9年以上13年以下の不定期刑が言い渡されました。
7月9日時点の報道で確認できるのは、川村被告の懲役30年判決に対する検察側の控訴です。
瀧澤被告や当時16歳の少年について、同じタイミングで控訴されたという情報は、現時点で確認できた報道からは見当たりません。
川村被告については、一審で検察側が無期懲役を求刑していたにもかかわらず、判決は有期刑の上限である懲役30年でした。そのため、検察側としては「懲役30年では軽い」と判断し、控訴に踏み切った可能性が高いと考えられます。
7月9日は裁判ではなく、控訴の報道が中心
なお、7月9日に報じられている内容は、新たな法廷での審理や判決ではなく、検察側が控訴したという手続き上の動きが中心です。
そのため、6月25日の判決公判のように、傍聴券を求める人が並んだ様子や、法廷での被告の様子が詳しく報じられているわけではありません。
ただ、6月25日の判決公判では、46席の傍聴券に対して274人が列を作ったと報じられており、事件への関心の高さは判決時点でも非常に大きいものでした。
今回の検察側控訴により、川村被告の量刑をめぐる裁判は、札幌高裁で改めて争われる可能性があります。
今後は、控訴審で一審の懲役30年判決が維持されるのか、それとも検察側の主張を踏まえて量刑が見直されるのかが注目されます。
被告らは裁判が始まるまでどこにいたのか
全員の収容先や生活状況が報じられているわけではない
では、起訴されてから初公判が始まるまでの間、被告らはどこで、どのような状態にあったのでしょうか。
まず、この事件の被告全員について、起訴後から現在までの具体的な収容先や生活状況がすべて報じられているわけではありません。
ただし、川村葉音被告については、北海道ニュースUHBが事件から数か月後に「勾留中の川村被告」を独自取材したと報じています。
つまり、少なくとも川村被告については、起訴後も身柄を拘束された状態で裁判を待っていたことが分かります。(UHB:北海道文化放送)
また、UHBは2024年12月24日にも、再び勾留中の川村被告を取材したと報じています。(UHB:北海道文化放送)
一方で、八木原亜麻被告や他の被告らについては、現時点で「どこの施設に収容されているのか」「保釈されているのか」までを明確に示す報道は確認できません。
そのため、ここから先は一般的な刑事裁判の流れをもとにした説明になります。
勾留中はどのような生活になるのか
勾留中の被告人は、一般的には拘置所や警察署の留置施設などで生活することになります。
外で自由に生活することはできず、施設内で決められた生活を送りながら、弁護人と打ち合わせをしたり、裁判の準備を進めたりすることになります。
家族などとの面会や手紙、差し入れが認められる場合もありますが、すべて自由にできるわけではありません。
また、報道で明らかになっている範囲を超えて、第三者が特定の被告の現在の収容先を正確に確認することは基本的に難しいと思います。
そのため、川村被告らがどのような生活をしていたかについて明確な情報は出ていませんので、下記の動画で説明されている情報を参考にすると良いと思います。
↓留置所と拘置所についての解説動画
まとめ
北海道江別市で起きた大学生集団暴行死事件では、長谷知哉さんが集団暴行を受けて死亡し、男女6人全員が強盗致死罪で起訴されています。
現在は、川村葉音被告ら3人の裁判員裁判が2026年5月25日に始まる予定で、主犯格とされる当時18歳の男ら2人についても、2026年7月13日に初公判が予定されています。
一方で、八木原亜麻被告の公判日程は、少なくとも現時点では大きく報じられていません。
また、現時点では、まだすべての被告に求刑や判決が出ている段階ではありません。
初公判まで時間がかかった理由としては、裁判員裁判に向けた公判前整理手続きに加え、被告が6人いることで、一人ひとりの犯行内容や関与の度合い、共謀関係を慎重に整理する必要があった可能性があります。
被告らが裁判までどこにいたのかについては、全員分の詳細な情報が報じられているわけではありません。
ただし、川村葉音被告については、勾留中にUHBの取材を受けていたことが報じられています。
一般的に、強盗致死のような重大事件で起訴された被告人は、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば、起訴後も勾留が続くことがあります。
今後の焦点は、各被告が起訴内容をどこまで認めるのか、誰の関与がどの程度重いと判断されるのか、そして最終的にどのような求刑・判決が下されるのかという点になるでしょう。



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