海苔弁いちのや運営会社が破産|人気ロケ弁店の経営悪化・閉店店舗と現在の営業状況

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高級海苔弁当の専門店「海苔弁いちのや」を展開していた株式会社いちのやが、2026年9月30日に東京地裁から破産手続開始決定を受けたことが明らかになりました。10月7日に帝国データバンクと東京商工リサーチが報じています。

海苔弁いちのやは、芸能人にも人気のロケ弁として知られ、一時は直営店とフランチャイズ(FC)店を合わせて28店舗を展開していた人気店です。それほどの知名度がありながら、なぜ破産に至ったのでしょうか。

調査によると、出店費用や原材料費、人件費の増加によって資金繰りが悪化し、2026年7月には主力の靖国通り本店も閉店していました。ただし、運営会社が破産したからといって、すべての店舗が閉店したわけではありません。一部のFC店は営業を継続しています。

この記事では、破産に至った経緯や経営悪化の理由、閉店店舗、現在も営業する店舗の状況、今後の再開の可能性を整理します。

海苔弁いちのや運営会社の破産と店舗の現在

今回破産したのは、東京都中央区に本社を置く「株式会社いちのや」です。旧社名は「株式会社本塁打」で、2021年5月に設立されました。

まず、2026年10月8日時点で判明している主な情報を整理します。

  • 破産した会社:株式会社いちのや(旧社名:株式会社本塁打)
  • 破産手続開始決定:2026年9月30日
  • 報道された日:2026年10月7日
  • 最盛期の店舗数:直営・FC合わせて28店舗(2024年5月期)
  • 主な経営悪化の理由:出店費用、原材料費・人件費の高騰、競争激化
  • 直営店:2026年7月末に閉店
  • FC店:運営会社の事業停止後も一部店舗が営業を継続
  • 負債総額:現在調査中

特に重要なのは、すでに2026年8月の時点で運営会社が事業を停止していたことです。

今回新たに明らかになったのは、事業停止後に進められていた法的な整理が、裁判所による破産手続開始決定まで進んだという点です。


海苔弁いちのやの運営会社が破産するまでに何があったのか?

海苔弁いちのやの経営悪化は、今回の破産報道で突然判明したわけではありません。

2026年に入ると店舗の閉鎖が相次ぎ、7月31日にはブランドを代表する靖国通り本店も閉店。8月には運営会社が事業を停止したことが報じられていました。

これまでの主な経緯は以下の通りです。

  • 2020年:東京・九段に海苔弁いちのや靖国通り本店がオープン
  • 2021年5月:株式会社本塁打(後の株式会社いちのや)が設立
  • 2024年5月期:直営店・FC店を合わせて28店舗を展開し、売上高約6億4100万円を計上
  • 2024年9月:むらせホールディングスの完全子会社となる
  • 2026年1月:新宿甲州街道店、アトレ大森店、アトレ吉祥寺店が閉店
  • 2026年7月31日:主力の靖国通り本店が閉店。直営店の営業も終了
  • 2026年8月4日まで:事業を停止し、事後処理を弁護士に一任
  • 2026年9月30日:東京地裁が破産手続開始を決定
  • 2026年10月7日:企業信用調査会社が破産手続開始決定を公表

このように、2026年初めから店舗の縮小が進んでおり、主力店舗の閉店、事業停止を経て破産に至っています。

10月7日の報道は、突然の全店閉鎖を知らせるものではなく、すでに経営が行き詰まっていた運営会社の破産が正式に明らかになったという内容です。


人気ロケ弁店だったのになぜ経営が悪化したのか?

海苔弁いちのやは、テレビ番組やSNSで取り上げられる人気店でした。しかし、店舗の知名度が高かった一方で、運営会社の資金繰りは徐々に悪化していました。

帝国データバンクの調査では、主に次のような問題が指摘されています。

  • 積極的な店舗展開に伴う資金負担の増加
  • 米や海苔などの仕入れ価格の上昇
  • 人件費の高騰
  • 競合店との競争激化
  • 不採算店舗の閉鎖に伴う費用負担

海苔弁いちのやは、一般的な海苔弁当より高い価格帯の商品を提供する専門店です。

新潟県産のブランド米「新之助」、瀬戸内海産の海苔、四万十川の青のりなど、素材にこだわった商品づくりを特徴としていました。

こうした商品は人気を集める一方、原材料価格が上昇すると製造コストも増えます。さらに、店舗数を増やせば家賃や人件費などの負担も大きくなります。

実際に同社では取引先への支払いが滞り、一部が訴訟に発展する事態にもなっていました。

人気や売上があっても、店舗運営に必要な費用や支払いが増えれば、資金繰りが行き詰まることがあります。今回の破産も、こうした複数の経営上の問題が重なった結果とみられます。


28店舗まで拡大したのに売上は減少していた?

海苔弁いちのやは、2024年5月期に直営店とFC店を合わせて28店舗を展開していました。

しかし、会社の売上高はその後減少しています。

決算期年間売上高
2024年5月期約6億4100万円
2025年5月期約6億1400万円

売上高は約2700万円減少しました。

売上が減ったことに加え、不採算店舗の閉鎖に伴う費用や物価高の影響で赤字が続き、会社は債務超過に陥ったとされています。

債務超過とは、会社の負債が資産を上回っている状態です。

ただし、売上高の数字だけで経営状況のすべてを判断することはできません。今回の問題は、売上の減少だけではなく、店舗展開に伴う費用負担や資金繰りの悪化も大きく影響していたと考えられます。


むらせホールディングスの傘下に入っても立て直せなかった理由

海苔弁いちのやの運営会社は、経営改善に向けて大きな転換も行っていました。

2024年9月24日、米穀卸事業などを展開する株式会社むらせホールディングスが、運営会社の当時の社名である「株式会社本塁打」の全株式を取得し、完全子会社化したと発表しています。

その後は経営体制を一新し、効率化を進めました。しかし、原材料費の高騰や店舗閉鎖に伴う費用などの負担が続き、赤字から脱却することはできませんでした。

最終的には2026年7月に主力店舗を閉店し、翌8月には事業停止に至っています。

なお、今回破産したのは株式会社いちのやです。親会社だったむらせホールディングス自体が破産したという発表ではありません。

また、親会社がどの程度の資金支援を行ったのか、事業継続に向けてどのような協議があったのかなど、内部の詳しい事情は確認できていません。

そのため、親会社が支援しなかったことが破産の原因だったと断定することはできません。


海苔弁いちのやの閉店店舗はどこ?靖国通り本店も営業終了

海苔弁いちのやでは、2026年に入ってから店舗の閉鎖が相次ぎました。

公式のお知らせや報道で閉店が確認できる主な店舗は、以下の通りです。

  • 新宿甲州街道店:2026年1月28日閉店
  • アトレ大森店:2026年1月30日閉店
  • アトレ吉祥寺店:2026年1月30日閉店
  • 靖国通り本店:2026年7月31日閉店

このうち1月に閉店した3店舗については、当時の公式サイトで事前に閉店日が案内されていました。

また、靖国通り本店は2020年に東京・九段で開業したブランドの代表的な店舗です。靖国神社の近くに位置し、行列のできる海苔弁専門店として注目されていました。

産経新聞が8月に報じた内容では、直営店は7月31日で閉店したとされています。

一方、六本木ヒルズに出店していた店舗については、施設公式サイトが9月1日付で当面の臨時休業を案内しています。

ただし、「閉店」と「臨時休業」は異なるため、休業中の店舗まで閉店が確定したものとして扱うことはできません。


破産後も営業している店舗はある?FC店は営業継続

運営会社が破産したことで、海苔弁いちのやの全店舗がなくなったと思う人もいるかもしれません。

しかし、東京商工リサーチは10月7日の破産報道で、運営会社の事業停止後も一部のフランチャイズ(FC)店が営業を継続していると説明しています。

FC店とは、ブランドの名前や商品などを利用する契約を結び、別の事業者が運営する店舗のことです。

そのため、ブランドを展開する会社が事業停止や破産に至っても、加盟店側が営業を続ける場合があります。

実際に、神奈川県川崎市の「新百合丘オーパ店」は、運営会社の事業停止後も営業していた店舗の一つです。

新百合丘オーパの公式サイトでは、2026年9月にも同店のお知らせが掲載されており、9月23日・27日・28日・30日の臨時休業について案内されていました。

ただし、これらは9月時点の情報です。10月8日現在の営業状況まで保証するものではありません。

FC店が営業を継続していることは確認できていますが、現在営業している店舗の完全な一覧や各店舗の最新営業時間については確認できていません。

今後、店舗によって営業状況が変わる可能性もあるため、購入を予定している場合は、出店先の商業施設や各店舗が発表する最新情報を確認するのが確実です。


海苔弁いちのやはどんな店?ロケ弁大賞で金賞を受賞

海苔弁いちのやは、一般的には手頃な価格の弁当というイメージが強い「海苔弁」を、素材にこだわった高級弁当として展開した専門店です。

看板商品は「名物海苔弁」。新潟県産のブランド米「新之助」ともち麦を組み合わせたご飯に、瀬戸内海産の海苔、白身魚フライ、ちくわの磯辺揚げ、焼き鳥、きんぴらなどを盛り付けた商品でした。

2024年6月には、テレビ・映像制作などの現場で親しまれている弁当を表彰する「第1回 日本ロケ弁大賞」で、名物海苔弁が金賞を受賞しています。

当時の受賞商品価格は税込1200円で、手頃な弁当という従来のイメージとは異なる、高価格帯の海苔弁として人気を集めていました。

芸能人に人気のロケ弁としてテレビなどで紹介され、SNSでも注目されたことから、全国に店舗を広げていきました。

一方で、知名度が高まり、店舗数が増えたことが、そのまま安定した経営につながったわけではありません。

今回の破産は、人気商品を持つ飲食店であっても、店舗の拡大やコストの増加によって経営が厳しくなることを示す事例といえます。


今後ブランドが再開・存続する可能性はあるのか?

2026年10月8日時点で、株式会社いちのやはすでに破産手続開始決定を受けています。

そのため、同社が従来の経営体制のまま事業を再開することは難しい状況です。

一方、ブランド自体については、一部FC店が営業を続けています。今後、別の企業などがブランドの事業や権利を引き継ぐ可能性も一般論としては考えられます。

ただし、現在のところ、海苔弁いちのやの事業譲渡や直営店の再開が正式に決まったという情報は確認できません。

運営会社の破産と、ブランドそのものが完全に消滅することは同じではありません。

今後は破産手続きの進展とともに、FC店の営業継続やブランドの扱いについても注目されます。

海苔弁いちのやの運営会社は、店舗展開による資金負担、原材料費や人件費の高騰などが重なり、経営が悪化しました。2024年にはむらせホールディングスの傘下に入りましたが、再建には至らず、2026年9月30日に破産手続開始決定を受けています。

すでに靖国通り本店を含む直営店は営業を終了している一方、一部FC店は営業を継続しています。

今後は、各店舗の営業状況と、人気の海苔弁ブランドがどのような形で残るのかが焦点となりそうです。


主な参考資料と確認日

情報確認日:2026年10月8日。負債総額、FC店の最新営業状況、ブランドの今後については、追加の公式発表などにより変わる可能性があります。

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