こめおの食中毒123人は多い?過去5年の統計と飲食店の閉店・営業継続例を比較

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2026年8月、麻布十番納涼まつりで料理人のこめおさんが手がける「割烹こめを」が販売した冷やし蟹ラーメンによって、集団食中毒が発生しました。

港区みなと保健所は9月3日、サルモネラ属菌による食中毒と正式に認定。当初は78人の患者が確認され、51人が医療機関を受診し、3人が入院しました。

その後も調査が続き、9月9日時点で認定された食中毒患者は123人に増加。 体調不良に関する相談は約250人に達したことも明らかになっています。

では、123人という食中毒は、全国の飲食店で発生する事故と比較して、どれくらい大規模なのでしょうか。

この記事では、厚生労働省が公表する2021~2025年の食中毒発生事例を基に、当初の78人という人数がどれくらい珍しい規模だったのかを確認し、123人へ増加した現在の状況と比較します。

さらに、77人、81人、152人のサルモネラ食中毒や、500人以上の大規模食中毒を起こした店舗・事業者が、その後営業を続けたのか、閉店・廃業したのかについても整理します。

なお、こめおさんは2026年10月1日、「割烹こめを」の閉店を正式に発表しています。 この記事では、食中毒後の店舗の対応についても最新情報を反映しています。

こめおの食中毒123人はどれくらい大規模だったのか

結論からいうと、今回の123人という患者数は、過去5年間の飲食店食中毒と比較しても、人数の多い事例に当たります。

厚生労働省の2021~2025年の「食中毒発生事例」を基にした当サイトの従来の集計では、原因施設が「飲食店」とされた2,358件のうち、患者78人以上の事例は66件で、全体の2.80%でした。

その後、こめおさんの食中毒患者数は123人に増加しました。123人以上の事故は必ず78人以上の事故にも含まれるため、同じ集計条件で考えれば、その割合は2.80%を超えません。

ただし、123人以上の正確な件数・割合については、今回、2021~2025年の原データ全件を再集計できていないため、具体的な数値は掲載していません。

つまり、2021~2025年の飲食店食中毒において、78人という時点ですでに人数の多い側に入っており、123人へ増加したことで、その規模はさらに大きくなったと考えることができます。

一方、日本では過去に500人や800人を超える食中毒も発生しています。そのため、今回の123人が全国で前例のない規模だったというわけではありません。

患者数の意味や過去の統計、店舗のその後について、順番に確認していきます。


冷やし蟹ラーメンの患者数は78人から123人へ増加

今回の食中毒は、2026年8月22日と23日に開催された麻布十番納涼まつりで発生しました。

原因食品は「割烹こめを」が調理してイベント会場で販売した冷やし蟹ラーメンで、原因物質はサルモネラ属菌です。

港区みなと保健所は、患者に共通する食事や発症までの時間、検便結果、症状などを調査し、9月3日に食中毒と断定しました。

同日時点では患者78人が確認され、そのうち51人が医療機関を受診し、3人が入院しています。入院した3人については、9月3日の発表時点で全員退院していました。

しかし、この78人という数字は最終的な患者数ではありませんでした。

9月11日のテレビ朝日「グッド!モーニング」では、港区の清家愛区長が、体調不良に関する相談は約250人から寄せられ、9月9日時点で123人を食中毒患者として認定したと説明しています。

それぞれの数字を整理すると、以下のようになります。

確認時期人数数字の意味
8月28日76人体調不良について連絡した人
9月3日78人保健所が認定した食中毒患者
9月3日51人78人のうち医療機関を受診した人
9月3日3人78人のうち入院した人。全員退院済み
9月9日123人その後の調査を反映した食中毒患者
9月11日報道約250人体調不良について相談した人

重要なのは、123人と約250人が同じ人数を示しているわけではないことです。

123人は行政によって食中毒患者として認定された人数で、約250人は体調不良について相談した人数です。相談した人全員が、今回の冷やし蟹ラーメンによる食中毒患者と認定されたわけではありません。

また、51人が医療機関を受診し、3人が入院したという数字は9月3日時点のものです。追加認定された患者を含めた最終的な受診者数や入院者数の内訳は、今回確認できた資料では明らかになっていません。

なお、港区は「割烹こめを」に対し、9月3日から9日までの7日間の営業停止命令を出しました。

食中毒が発覚するまでの経緯や保健所の検査結果、衛生管理記録が行われていなかった問題については、こめおの蟹ラーメン食中毒はなぜ起きた?患者123人・保健所調査・割烹こめを閉店までを整理で詳しく紹介しています。


過去5年間の飲食店食中毒で78人以上は66件・2.80%

食中毒患者が78人という規模は、全国の飲食店で発生する事故と比較すると、どれくらい多いのでしょうか。

厚生労働省は、毎年発生した食中毒について、原因施設、原因食品、病因物質、患者数などをまとめた「食中毒発生事例」を公開しています。

この記事の従来の集計では、2021年から2025年までの5年間を対象に、原因施設が「飲食店」と記載されている事例だけを抽出しました。

旅館、仕出屋、給食施設、製造所など、異なる施設区分として記録された事故は含めていません。

患者78人以上の事例を数えた結果は、以下のとおりです。

年飲食店の食中毒患者78人以上割合
2021年283件7件2.47%
2022年380件4件1.05%
2023年489件10件2.04%
2024年548件16件2.92%
2025年658件29件4.41%
5年間合計2,358件66件2.80%

※上記は本記事の従来版で独自集計した数値です。厚生労働省は2026年9月30日と10月7日に2025年分の一部統計資料を訂正しています。今回、2021~2025年の全事例を改めて機械的に再集計するところまでは完了できていないため、以前の集計結果として掲載しています。

この数値では、5年間に発生した飲食店の食中毒2,358件のうち、患者78人以上の事故は66件でした。

計算すると、66件 ÷ 2,358件 × 100 = 約2.80%となります。

言い換えると、過去5年間の飲食店食中毒を100件並べた場合、患者78人以上だった事故は約3件という割合です。

今回の食中毒は、9月3日時点の78人という人数でも、過去の飲食店食中毒の中では患者数が多い側に入っていたことになります。

ただし、これは飲食店の店舗数に対する割合ではなく、食中毒として記録された事故件数に対する割合です。

また、患者数だけを比較した数字であり、症状の重さ、入院者数、死者数などを含めた事故の深刻さの順位ではありません。

統計の出典となる各年のデータは、厚生労働省「食中毒統計資料」で公開されています。


患者123人以上の食中毒は何%?78人との違い

今回の食中毒では、その後の調査によって患者数が78人から123人に増加しました。

では、123人という規模は過去5年間の食中毒の何%に当たるのでしょうか。

まず、前の項目で紹介した2.80%は、患者78人以上の事故を数えた割合です。

123人以上の事故に限定すれば、対象となる事例は78人以上の66件と同じか、それより少なくなります。

そのため、同じ集計対象を前提とすると、患者123人以上の事例が占める割合は2.80%以下ということまでは分かります。

ただし、123人以上の正確な件数を出すには、2021~2025年の全事例について患者数を改めて集計する必要があります。今回、その再集計までは完了できていないため、「123人以上は何件・何%」という具体的な数字は掲載していません。

78人の時点でも人数の多い事故だったことに加え、123人へ増加したことで、さらに規模の大きい集団食中毒となったことは確かです。

一方、日本では過去に150人、500人、800人を超える事例も発生しています。したがって、123人が全国で前例のない規模だったとはいえません。

この記事では、確認できた統計の範囲を明示したうえで、過去の具体的な事例と比較します。


患者1人の事故を除いても78人以上は3.61%

もう一つ確認したいのが、患者1人だけの食中毒を集計から除外した場合です。

食中毒には、1人だけが発症した事例も含まれています。そのため、1人の事故まで分母に入れると、大規模な集団食中毒の割合が小さく見えるのではないかという疑問もあります。

そこで、本記事の従来の集計では、患者2人以上の飲食店食中毒だけに限定した場合についても計算しています。

その結果、患者2人以上の事例は1,830件で、このうち78人以上の事故は66件でした。

割合は、66件 ÷ 1,830件 × 100 = 約3.61%です。

患者1人の事故528件を除外しても、患者78人以上の事故は約3.6%という結果になります。

つまり、集計対象を患者2人以上の事故に限定しても、78人という人数が比較的多い規模だったという見方は変わりません。

なお、この3.61%についても、78人以上を基準とした従来の集計結果です。患者123人以上の正確な割合を示した数字ではありません。


50人を超える食中毒は行政上も報告基準の一つ

食中毒の規模を考えるうえでは、行政上の報告基準も参考になります。

食品衛生法と食品衛生法施行規則では、一定の条件に該当する食中毒について、都道府県知事などが厚生労働大臣へ直ちに報告する仕組みが設けられています。

食品衛生法施行規則第73条では、その人数基準の一つとして50人が定められています。

今回の食中毒は、9月3日時点の78人でもこの人数基準を上回り、その後123人に増加しました。

ただし、50人以上だから重大で、49人以下なら問題が小さいという意味ではありません。

死亡者や重篤な患者の発生、患者が複数の都道府県に広がっている場合、特定の病因物質が疑われる場合など、人数以外にも報告の対象となる条件があります。

今回のサルモネラ属菌も、こうした判断で関係する病因物質の一つです。

行政上の50人という数字は、食中毒事故の規模を判断する際の参考にはなりますが、事故の重さを人数だけで判断する基準ではありません。

詳しくは厚生労働省「食品衛生法施行規則」で確認できます。


過去のサルモネラ食中毒77人・81人・152人と比較

ここからは、今回と同じサルモネラ属菌によって食中毒が発生した過去の事例を見ていきます。

原因菌が同じで、患者数が比較的近い事故や、さらに大規模だった事故を取り上げます。

なお、ここで紹介する施設は、飲食店だけではなく旅館も含みます。原因施設の区分が異なる事例を、前述した飲食店2,358件の統計にそのまま合算するものではありません。

施設・事例患者数原因物質処分・その後
鹿児島・つるの恩がえし77人サルモネラ属菌3日間の営業停止。現在の営業状況は未確認
長野・油屋旅館81人サルモネラ属菌調理部門3日間の営業停止。その後も宿泊営業を案内
東京・割烹こめを123人サルモネラ属菌7日間の営業停止後、10月1日に閉店を発表
三重・中国料理 四川152人サルモネラ属菌営業禁止処分。その後も店舗情報が掲載

今回の食中毒は、当初の78人であれば鹿児島の77人と長野の81人に非常に近い規模でした。

しかし、患者が123人に増加したことで、これらの事例を大きく上回っています。

一方、2023年に三重県で発生した152人のサルモネラ食中毒よりは、患者数が少ない規模です。

また、行政処分後に営業を続けている施設がある一方、今回の「割烹こめを」は閉店を決断しています。

患者数だけでなく、その後の事業者の対応にも違いがあることが分かります。


鹿児島・つるの恩がえし|2022年に患者77人の食中毒

2022年7月、鹿児島県霧島市で、うなぎの蒲焼きや白焼きなどを原因食品とするサルモネラ食中毒が発生しました。

鹿児島県の食中毒発生一覧では、摂食者110人、患者77人、死者0人と記録されています。原因物質はサルモネラ属菌O4群です。

事故発覚当初の報道では患者75人とされていましたが、その後の集計で77人となりました。

当時、弁当店「つるの恩がえし」には、7月30日から3日間の営業停止命令が出されています。

今回のこめおさんの食中毒は、9月3日時点の78人であれば、この事故とわずか1人差でした。

しかし、その後123人へ増加したことで、46人多い規模となっています。

なお、「つるの恩がえし」が事故後に営業を再開したのか、現在も同じ事業者が営業しているのかについては、確認できる資料から確定できません。

同じ名前の店舗情報が残っていたとしても、事故当時の弁当店と同一の店舗・営業者であるとは限らないため、営業継続や閉店を断定しない方針とします。

出典:鹿児島県「食中毒発生一覧」


長野・油屋旅館|患者81人の食中毒後も営業を継続

2026年8月、長野県諏訪市の油屋旅館では、調理・提供した食事によって81人がサルモネラ食中毒を発症しました。

長野県によると、8月8日と9日に旅館で食事をした49グループ176人のうち、34グループ81人が下痢や腹痛、発熱などの症状を訴えました。

患者の便と食品からサルモネラ属菌が検出され、諏訪保健所は8月20日から22日までの3日間、調理部門に営業停止を命じています。

当初の「割烹こめを」の患者78人とは3人差で、原因物質も同じサルモネラ属菌です。

では、油屋旅館は食中毒の発生後に閉館したのでしょうか。

油屋旅館の公式宿泊予約サイトでは、2026年10月以降の宿泊プランが案内されており、営業を継続していることが確認できます。

したがって、80人を超えるサルモネラ食中毒が発生しても、その後に営業を続けている施設の例といえます。

ただし、油屋旅館は旅館であり、「割烹こめを」とは業態や施設規模が異なります。また、行政処分も旅館全体の閉館ではなく調理部門への営業停止です。

そのため、患者数だけを比べて両施設の対応の良し悪しを判断することはできません。

出典:長野県「諏訪保健所管内の旅館でサルモネラ属菌による食中毒が発生しました」


三重・中国料理 四川|患者31人から最終152人へ増加

2023年には、三重県桑名市の飲食店で、さらに大規模なサルモネラ食中毒が発生しています。

7月31日の三重県の発表では、7月21日と22日に飲食店を利用した44人のうち、31人が下痢や発熱などの症状を訴えていました。

患者の便だけでなく、従業員の便や施設の拭き取り検査からもサルモネラ属菌が検出され、店舗には営業禁止処分が出されています。

その後、調査が進んだ結果、三重県の2023年の最終集計では、摂食者213人、患者152人、死者0人と記録されました。

つまり、最初の発表では31人だった患者数が、最終的には152人になった事例です。

これは、調査が進むにつれて食中毒患者が追加認定されることがあると分かる事例でもあります。

今回の「割烹こめを」でも、9月3日の78人から9月9日の123人へ患者数が増加しましたが、過去にも同様に調査の途中で患者数が大きく増えた事故があったことになります。

当時の報道では、この飲食店は「中国料理 四川」とされています。2026年には同名店舗の営業案内や来店情報が掲載されていますが、行政処分の解除日などについては一次資料で確認できていません。

そのため、現在も営業しているとみられるものの、処分後の詳しい経営状況まで把握できているわけではありません。

出典:三重県「食中毒の発生について」(2023年7月31日)、三重県「食中毒発生状況」(PDF)


さらに大規模な食中毒|吉田屋554人と大滝観光流しそうめん892人

患者123人という規模は人数の多い食中毒ですが、日本ではさらに大規模な事故も発生しています。

ここでは、500人以上の食中毒を起こした事例として、青森県の駅弁製造会社「吉田屋」と、石川県の「大滝観光流しそうめん」を比較します。

この2つの事例は、患者数だけでなく、事故後の事業者の対応にも大きな違いがありました。

事例患者数原因施設の区分その後
青森・吉田屋の駅弁554人製造所営業禁止処分後に事業を再開
石川・大滝観光流しそうめん892人飲食店廃業

2023年9月、吉田屋が製造した駅弁によって全国29都道府県で554人の食中毒患者が確認されました。

八戸市保健所は同社に営業禁止処分を出しましたが、同社はその後、事業を再開しています。2026年現在も公式サイトで駅弁の製造・販売や商品情報を案内しています。

ただし、吉田屋の事例は厚生労働省の原因施設区分が「製造所」とされており、この記事で集計した飲食店2,358件には含まれていません。

一方、2023年8月には、石川県津幡町の「大滝観光流しそうめん」でカンピロバクター食中毒が発生しました。

原因は、流しそうめんに使用した湧き水の汚染とされ、最終的に患者数は892人となりました。

運営側は被害者への損害賠償を進めたうえで廃業する方針を発表し、その後、廃業しています。

この事例は厚生労働省の原因施設区分が「飲食店」とされているため、前述した2021~2025年の患者78人以上66件の中にも含まれます。

吉田屋と大滝観光流しそうめんは、事故の原因や事業形態が異なるため、患者数の大小だけで直接比較することはできません。

ただし、500人以上の食中毒後に営業を再開した事業者と、廃業した事業者の両方が存在することは分かります。

食中毒患者が何人になれば必ず廃業するという、全国共通の単純な基準があるわけではありません。


食中毒の患者数が多いと店は閉店するのか?

ここまでの過去事例を見ると、食中毒が大規模であっても、店舗や会社が必ず閉店・廃業するとは限らないことが分かります。

長野県の油屋旅館では81人のサルモネラ食中毒が発生しましたが、その後も宿泊営業を案内しています。

三重県の中国料理 四川でも152人の食中毒が確認されていますが、事故後も営業しているとみられます。

また、全国29都道府県で554人の患者が確認された吉田屋も、行政処分後に事業を再開しています。

一方、892人の食中毒が発生した大滝観光流しそうめんは廃業しており、今回の「割烹こめを」も123人の食中毒を受けて閉店を決断しました。

店舗を続けられるかどうかには、患者数のほかに、衛生管理体制の改善、被害者への補償、売上や信用への影響、従業員や取引先との関係、経営者自身の判断など、さまざまな事情が関わると考えられます。

ただし、個々の事業者がどの事情をどの程度重視したのかについては、外部からすべてを把握できるわけではありません。

患者数は食中毒の規模を比較するうえで重要な指標ですが、それだけで閉店の必要性やその後の経営判断を決められるわけではありません。

また、行政による営業停止処分と、事業者が自主的に決める閉店・廃業は、法律上も実際の意味も異なります。


こめおは10月1日に「割烹こめを」の閉店を発表

今回の食中毒をめぐり、こめおさんは9月5日の謝罪動画で「割烹こめを」の閉店も視野に入れていると説明していました。

9月11日のテレビ朝日の取材でも、自身の衛生管理への認識の甘さを認め、今回の事故の責任について考えていることを明らかにしています。

そして10月1日、こめおさんはXで「割烹こめを閉業のお知らせ」と題した声明を発表し、同店を閉店することを正式に決めたと説明しました。

声明では、食中毒によって被害を受けた人とその家族に改めて謝罪し、料理のおいしさ以前に安全な食事を提供する責任を果たせなかったと振り返っています。

そのうえで、これまでの経緯や今後の店舗運営について検討した結果、店を続けることはできないと判断したということです。

また、店舗を閉めたことで責任が終わるわけではないとし、閉店後も被害者への対応を続ける方針を示しました。

翌10月2日には、食品関連事業を手がける株式会社UMAMI LABの役員を退任することも発表しています。

ここで注意したいのは、港区が「割烹こめを」に命じたのは9月3日から9日までの7日間の営業停止であり、10月1日の閉店はその後に本人と店舗側が判断したものだという点です。

行政が店舗に閉店命令を出したわけではありません。

さらに、浅草の蟹ラーメン専門店「かにを」は別の店舗であり、10月初旬の報道では営業を続ける方針とされています。

今回の食中毒による閉店と、こめおさんが関わるすべての飲食事業の終了を同じ意味で捉えることはできません。

閉店発表までの詳しい経緯は、こめおの蟹ラーメン食中毒はなぜ起きた?患者123人・保健所調査・割烹こめを閉店までを整理でも紹介しています。


閉店後の補償対応や原因調査はどうなっている?

「割烹こめを」の閉店が決まった一方、食中毒の被害者への補償については、引き続き対応が進められています。

こめおさんは9月の謝罪文や動画で、医療費などを含む補償を進める方針を説明していました。

10月1日の閉店発表でも、店舗を閉じることによって今回の責任がなくなるわけではなく、被害者への対応を継続するとしています。

さらに10月9日には、被害を申告した人への連絡が遅れていることを認め、提出された資料を個別に確認していると説明しました。

従来使用していた問い合わせフォームに不具合があった可能性も明らかにしており、すでに連絡したにもかかわらず返信を受け取っていない人には、改めて指定のメールアドレスへ連絡するよう呼びかけています。

ただし、10月21日時点で確認できた資料からは、補償が完了した人数、支払い総額、対象者全員への対応が終了したかどうかまでは判断できません。

また、港区の調査によって原因食品と原因物質は特定されていますが、サルモネラ属菌が具体的にどの食材から、どの工程で混入したのかについては未解明の部分が残っています。

店舗で日々の衛生管理記録が行われていなかったことはその後の報道で明らかになりましたが、それ自体が具体的な菌の混入経路を特定したという意味ではありません。

食中毒後の対応を評価するうえでは、閉店の有無だけでなく、被害者への補償や原因の調査、今後の再発防止についても確認する必要があります。

謝罪への批判や、10月9日の補償対応に関する説明については、こめおの蟹ラーメン謝罪はなぜ批判された?「商品」「営業休止」の説明と補償対応を整理で詳しく紹介しています。


こめおの食中毒123人は大規模?過去5年の統計と閉店事例のまとめ

2026年8月の麻布十番納涼まつりでは、「割烹こめを」が販売した冷やし蟹ラーメンによって、サルモネラ属菌による集団食中毒が発生しました。

港区は9月3日に食中毒と正式に認定し、当初は78人の患者を確認。その後の調査によって、9月9日時点では患者123人に増加しています。

厚生労働省が公表する2021~2025年の食中毒発生事例を基にした当サイトの従来の集計では、原因施設が飲食店とされた2,358件のうち、患者78人以上の事故は66件で、全体の2.80%でした。

患者123人以上の正確な割合については全事例の再集計が必要ですが、少なくとも78人を基準とした場合でも、今回の事故が人数の多い食中毒だったことが分かります。

一方、過去には152人、554人、892人など、さらに患者数の多い事故も発生しており、全国で前例のない規模だったというわけではありません。

また、過去の事例では、患者81人の油屋旅館や554人の吉田屋のように営業を続けた事業者がある一方、892人の大滝観光流しそうめんは廃業しています。

今回の「割烹こめを」も、9月3日から9日までの営業停止処分を受けた後、10月1日に閉店を正式に発表しました。

今回の食中毒は人数の面で大規模だったといえますが、店舗が営業を続けるか閉店するかは、患者数だけで決まるものではありません。

今後は被害者への補償状況や、菌の具体的な混入経路に関する追加情報などについても確認する必要があります。


主な参考資料と確認日

情報確認日:2026年10月21日。厚生労働省が公開する2021~2025年の食中毒発生事例、2025年分の統計訂正情報、港区の食中毒認定、9月11日のテレビ朝日の報道、10月1日の「割烹こめを」閉店発表、過去の大規模食中毒に関する各自治体の資料などを確認しています。2021~2025年の飲食店食中毒2,358件中、患者78人以上66件・2.80%という数値は本記事の従来版で独自集計した結果です。今回、全個票の再集計までは完了していないため、2025年の統計訂正に伴う再検証と、123人以上の正確な件数・割合については未確認です。患者123人は2026年9月9日時点で認定された人数として報じられた数値です。各店舗の営業状況や補償対応についても、今後変更される可能性があります。

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