2026年11月3日、DV(ドメスティックバイオレンス)やストーカーなどの被害者を保護するため、住所情報などの閲覧・交付を制限する制度をめぐり、全国の自治体で少なくとも119件の情報漏えいが発生していたことが明らかになりました。
共同通信が総務省への取材で確認したもので、対象期間は2016年度から2025年度までの10年間です。内訳は2016〜2020年度が51件、2021〜2025年度が68件となっています。
問題となっているのは、本来であれば住所などを知られないよう保護すべき人の住民票や戸籍の附票を、自治体が誤って交付してしまうといった事例です。中には、システムに警告が表示されていたにもかかわらず、責任者への確認を行わずに発行制限を解除したケースもあったとされています。
また、過去には東京都目黒区や岡山市などでも、支援措置の対象者に関する住所情報を相手方に誤って交付した事例が公表されています。
なぜ、被害者を守るための制度があるにもかかわらず、このような情報漏えいが繰り返されているのでしょうか。また、119件という数字は119人分の情報が漏れたという意味なのでしょうか。
この記事では、2016〜2025年度の情報漏えい件数と年度別の内訳、自治体で実際に起きた誤交付の事例、住民基本台帳の支援措置の仕組み、漏えいが発生する原因、被害者の安全確保と再発防止策について、公的資料と報道をもとに整理します。
DV被害者らの情報漏えい119件|自治体はなぜ住所を誤交付?過去の事例と原因
今回の情報漏えいは、特定の一つの自治体で発生した事件ではありません。
全国の市区町村が、DVやストーカー行為などの被害者を保護するための「住民基本台帳事務における支援措置」を運用する中で、誤って情報を漏えいした事例を集計したものです。
まず、今回の報道で確認できた内容を整理します。
| 報道日 | 2026年11月3日 |
| 対象期間 | 2016〜2025年度 |
| 情報漏えい件数 | 少なくとも119件 |
| 2016〜2020年度 | 51件 |
| 2021〜2025年度 | 68件 |
| 対象となる制度 | 住民基本台帳事務における支援措置 |
| 保護対象 | DV、ストーカー行為、児童虐待などの被害を申し出て支援の必要性が確認された人 |
| 主な問題 | 住民票や戸籍の附票などの誤交付、発行制限の誤解除など |
| 情報漏えいの報告先 | 都道府県への緊急報告 |
| 被害人数 | 今回の119件という数字からは確定できない |
総務省は2004年以降、住民基本台帳事務処理要領の改正などを通じて、DVやストーカー行為などの被害者の住所を相手方に知られないよう、自治体に対策を求めてきました。
しかし、制度が導入されてから20年以上が経過しても、保護対象者に関する情報漏えいがなくなっていないことが、今回の全国集計で改めて明らかになりました。
なお、119件は情報漏えい事案の件数であり、119人の被害者の住所が漏えいしたという意味ではありません。
また、119の自治体で漏えいが起きたことを示す数字でもありません。自治体別の件数や被害人数の詳細は、今回の報道からは確認できていません。
2016年度以降の情報漏えいは119件|年度別の件数と増減
共同通信が2026年11月3日に報じた情報によると、全国の自治体から報告された支援措置対象者に関する情報漏えいは、2016〜2020年度の5年間で51件、2021〜2025年度の5年間で68件でした。
さらに、2021〜2025年度については、10月5日の毎日新聞の調査報道で年度別の件数が明らかになっています。
これらの数字を合わせると、次のようになります。
| 年度 | 情報漏えい件数 |
|---|---|
| 2016〜2020年度 | 51件(5年間の合計) |
| 2021年度 | 14件 |
| 2022年度 | 14件 |
| 2023年度 | 12件 |
| 2024年度 | 21件 |
| 2025年度 | 7件 |
| 合計 | 119件 |
2021〜2025年度の5年間では、2024年度の21件が最も多くなっています。
一方、2025年度は7件に減少していますが、これだけで再発防止策が十分な効果を上げたと判断することはできません。
自治体からの報告状況や、情報漏えいが発覚するまでの時間なども考慮する必要があります。実際に、過去には事故が発生してから都道府県への報告が遅れた事例も報じられています。
なお、2016〜2020年度は5年間の合計51件が公表されていますが、今回確認した報道では各年度の詳しい内訳までは分かっていません。
また、今回の集計対象は2025年度までであり、2026年度に発生した事例は、この119件の数字には含まれていません。
119件は実際に確認された全件数なのか?
今回の報道では、2016年度以降に少なくとも119件あったとされています。
これは、総務省への取材で確認された自治体からの報告件数に基づく数字です。
しかし、すべての自治体で発生した漏えいが、必ず同じ時期に把握・報告されているとは限りません。
2026年10月5日の毎日新聞の報道では、北海道名寄市が2024年4月に起きた誤交付について、都道府県への報告を約9か月間行っていなかった事例も紹介されています。
そのため、119件を全国で発生したすべての事案を完全に網羅した確定件数として扱うのは適切ではありません。
現時点では、総務省への取材で確認された「少なくとも119件」という表現が正確です。
なぜ自治体からDV被害者の住所が漏れるのか?主な原因を整理
DVやストーカー行為などの被害者については、住民票や戸籍の附票などに記載された住所が相手方に知られないよう、交付や閲覧を制限する制度が設けられています。
それにもかかわらず、全国で情報漏えいが繰り返されてきました。
共同通信は、2016〜2020年度に発生した漏えいについて、総務省が原因を分析した資料があると報じています。
その中では、システムに支援措置対象者であることを知らせる警告が表示されても、責任者への確認を行わないまま制限を解除してしまう事例が多かったとされています。
① システムの警告を確認せず発行制限を解除
支援措置の対象者については、住民票や戸籍の附票を発行する際、通常の手続きとは異なる確認が必要になります。
しかし、システム上で警告が表示されていても、その意味や必要な対応が徹底されていなければ、発行制限が誤って解除されるおそれがあります。
今回の共同通信の報道で指摘されたのも、責任者に確認せずに閲覧・交付の制限を解除してしまうケースです。
システムに警告機能があるだけでは十分ではなく、警告が出た際に誰が判断し、どのような確認を行うのかという手続きが重要になります。
② 職員間の連絡不足や確認作業の不備
実際の自治体の公表資料を見ると、担当職員同士の連絡不足や、発行する書類の確認が不十分だったことも原因となっています。
例えば岡山市では、発行制限を一時的に解除した後、担当者間の指示が不明確だったため、支援措置対象者を含む戸籍の附票を誤って交付する事故が起きました。
このような問題は、担当者が複数に分かれて作業する場合や、通常とは異なる手続きが必要な場面で発生する可能性があります。
ただし、今回の119件すべてが同じ原因で起きたわけではありません。個別の事案ごとに、異なる事務処理上の問題があったと考える必要があります。
③ 支援措置の登録情報と別の管理リストが一致していなかった
東京都目黒区では、過去に支援措置が終了した人をまとめたリストと、現在の支援措置の登録状況が一致していなかったことが、住所情報の誤交付につながりました。
対象者は一度支援措置を終了した後、改めて支援を申し出ていましたが、以前の終了者リストから削除されていませんでした。
その結果、再び有効になっていた発行制限が解除され、住所の記載された戸籍の附票が相手方に交付されてしまいました。
この事例は、支援措置の登録情報を適切に更新していても、別に管理されている情報が古いままであれば、事故につながる可能性があることを示しています。
実際にどこの自治体で起きた?岡山市・目黒区の情報漏えい事例
今回の119件について、自治体名や被害の内容をすべて掲載した一覧は確認できていません。
ただし、過去には各自治体が公式に発表した誤交付の事例があります。
ここでは、自治体自身の公表資料で経緯や原因を確認できた岡山市と東京都目黒区の事例を紹介します。
なお、被害者の安全に関わる情報であるため、個人を特定できる情報や具体的な避難先などは扱いません。
岡山市|2024年5月に支援措置対象者4人分の情報を誤交付
岡山市は2024年12月12日、支援措置対象者4人分の戸籍の附票の写しを、相手方の代理人弁護士に誤って交付していたと発表しました。
事故が起きたのは同年5月27日です。
市によると、相手方の代理人弁護士から郵送で請求があり、担当職員がシステム上の発行制限を一時的に解除しました。
しかし、その後の発行担当職員への指示が不明確だったため、本来は交付してはいけない支援措置対象者を含む、全員分の戸籍の附票を発行してしまいました。
誤交付が判明したのは7月12日で、支援措置対象者からの指摘がきっかけでした。
市は対象者に謝罪するとともに、警察へ連絡して安全確保を依頼したと説明しています。また、転居費用などの賠償を検討する方針も示しました。
再発防止策としては、マニュアルの見直しや、担当職員間の連絡内容を確認するための処理票の作成などを行っています。
この事例では、一度の誤交付で4人分の情報が対象となっており、漏えい事案の件数と被害人数が必ずしも一致しないことが分かります。
出典:岡山市「支援措置対象者に係る戸籍附票の写しの誤交付について」(2024年12月12日・PDF)
東京都目黒区|2025年5月に住所情報を相手方へ誤交付
東京都目黒区も2025年10月8日、支援措置対象者の住所が記載された戸籍の附票を、相手方に誤って交付していたと発表しました。
事故が発生したのは同年5月16日です。
目黒区によると、対象者は過去に支援措置を受けていましたが、いったん終了していました。その後、5月8日に改めて支援措置を申し出たため、区は再び発行制限を設定しています。
しかし、支援措置を終了した人を管理する別のリストに対象者の情報が残っていたため、5月14日に発行制限が誤って解除されました。
その2日後、相手方から戸籍の附票の写しの請求があり、区は本来開示してはいけない住所情報を含む書類を交付してしまいました。
区が誤交付を確認したのは5月29日です。
目黒区は対象者に謝罪し、一時的な避難を提案するとともに、警察へ安全確保を要請したと説明しています。
また、2025年10月8日の公表時点では、対象者と区の間で、代理人弁護士を通じた和解協議が続いているとしていました。
再発防止策として、確認用の処理票を作成し、職員間の確認手続きを強化すると説明しています。
出典:目黒区「DV等支援措置対象者に関する事故の発生につきまして」(2025年10月8日)
北海道名寄市|誤交付後の報告遅れも問題に
2026年10月5日の毎日新聞の報道では、北海道名寄市の事例も取り上げられています。
名寄市では2024年4月、DV被害者の住所が記載された戸籍の附票を元配偶者側に誤って交付していたとされています。
さらに、情報漏えいの発生後、都道府県への報告を約9か月間行っていなかったことも報じられました。
総務省は、支援措置対象者の情報漏えいが起きた場合、都道府県への緊急報告を求めています。
そのため、事故の発生を防ぐことに加えて、発覚後に必要な報告を速やかに行い、対象者の安全を確保する体制も重要です。
なお、この名寄市の事例については、今回の調査で自治体の公式発表原文を確認できなかったため、毎日新聞の取材報道に基づいて紹介しています。
DV等支援措置とは?住民票や戸籍の附票の交付を制限する制度
今回の情報漏えいを理解するうえで重要なのが、「住民基本台帳事務における支援措置」という制度です。
この制度は、DVやストーカー行為、児童虐待などの被害を申し出た人について、支援の必要性が確認された場合に、住所などの情報が相手方に知られることを防ぐためのものです。
支援措置が実施されると、申出の相手方による住民票の写しや戸籍の附票の写しなどの取得を制限するほか、住民基本台帳の一部の写しの閲覧対象から除外するなどの対応が行われます。
ただし、すべての人からの請求を一律に拒否する仕組みではありません。相手方以外の第三者からの請求については、請求者や目的を厳格に審査し、正当な請求と判断される場合には交付されることがあります。
つまり、住所を知られると危険が生じるおそれがある人について、不当な目的で住民票などが取得されることを防ぐ制度です。
住民票と戸籍の附票は何が違うのか?
住民票は、住民として登録されている人の氏名や住所などを記録するものです。
一方、戸籍の附票は、本籍地の市区町村で戸籍とともに管理され、住所の履歴などが記録される書類です。
戸籍の附票には過去の住所が記載される場合もあるため、内容によっては現在の住所や転居先に関する情報を知る手掛かりになる可能性があります。
今回紹介した岡山市と目黒区の事例では、いずれも戸籍の附票の誤交付が問題となりました。
DV等支援措置では、住民票だけでなく、戸籍の附票についても交付制限を適切に行う必要があります。
支援措置の対象になるのはDV被害者だけではない
支援措置はDV被害者だけに限られた制度ではありません。
ストーカー行為の被害者や、児童虐待の被害者、これらに準ずる被害を申し出た人についても、支援の必要性が確認された場合に対象となります。
また、同じ住所で生活する家族などについて、本人とあわせて支援措置の実施を求めることができる場合もあります。
そのため、今回の119件を「DV被害者だけの情報漏えい件数」として扱うのは正確ではありません。
今回の全国集計は、DV、ストーカー行為、児童虐待などに関する住民基本台帳の支援措置対象者の情報漏えいを対象としたものです。
また、支援措置の実施は、関係者の刑事責任やDV行為の有無について、裁判所が認定したことを意味するものでもありません。
支援措置の期間と更新手続き
支援措置は、一度申し出れば無期限に続くものではありません。
自治体の案内では、実施期間は原則として1年間とされ、引き続き保護が必要な場合には延長の申し出が必要です。
例えば石川県野々市市や愛媛県四国中央市では、期間満了前に延長手続きを行う仕組みが案内されています。
ただし、手続きの方法や必要書類、受付窓口は自治体によって異なります。
支援措置を利用している場合は、期限や更新方法について、現在利用している自治体の担当窓口や支援機関に確認してください。
参考:四国中央市「DV等被害に遭われている方の住民基本台帳事務における支援措置制度について」
住所が漏えいすると何が危険なのか?自治体に求められる安全確保
通常の個人情報漏えいでは、氏名や住所が外部に知られることによる迷惑行為や詐欺などが問題になることがあります。
しかし、DVやストーカー行為などの被害者にとって、住所を知られることには別の重大な危険があります。
避難先や転居先を相手方に知られた場合、再び接触を受けたり、つきまといなどの被害につながったりするおそれがあるためです。
実際に、岡山市や目黒区の事例では、自治体が誤交付を把握した後、警察に安全確保を依頼する対応が取られました。
また、目黒区は対象者に一時的な避難を提案したと説明しています。
今回の119件について、それぞれの事故後に実際にどのような被害が発生したのかは、全国集計だけでは確認できません。
ただし、住所情報の漏えいが被害者の安全に重大な影響を与える可能性があることは、自治体が行った緊急対応からも分かります。
情報漏えいが発覚した場合に必要な対応
保護対象者の住所などが誤って交付された場合、自治体には、漏えいした情報の範囲や交付先を確認し、対象者の安全を確保するための対応が求められます。
過去の公表事例では、対象者への連絡と謝罪、警察への協力要請、避難に関する相談、再発防止のための手続きの見直しなどが行われました。
ただし、すべての事故で同じ対応が適切とは限りません。危険性や対象者の状況に応じて、本人の安全を最優先にした対応が必要になります。
また、誤交付後に書類の返却を求めたとしても、すでに知られた住所情報まで確実に取り消せるわけではありません。
そのため、事故発生後の対応だけでなく、そもそも誤交付を起こさない仕組みが重要です。
自分の住所情報が漏れた可能性がある場合はどうする?
住民基本台帳の支援措置を利用していて、自治体から情報漏えいに関する連絡を受けた場合は、まず自分の安全について担当窓口や支援機関に相談することが重要です。
自治体には、どの情報が、いつ、どのような経緯で開示されたのかを確認し、必要な安全対策について説明を求めることが考えられます。
また、危険が及ぶおそれがある場合は、警察や配偶者暴力相談支援センターなどに相談してください。
相手方に直接連絡して事情を確認しようとすることは、状況によって危険につながる場合があります。
住所情報が漏えいした可能性がある場合の対応は個々の事情によって異なるため、専門の支援機関と相談しながら判断することが大切です。
なお、今回の全国集計で119件の漏えいが明らかになったことは、支援措置を利用している人すべての住所情報が漏えいしたことを意味するものではありません。
総務省や自治体の再発防止策は?警告表示と確認体制が課題
総務省は、住民基本台帳事務処理要領の改正や自治体への通知を通じて、DV等支援措置に関する事務処理の適正化を求めてきました。
2026年4月15日にも、支援措置の適正な執行を徹底するための通知が出されています。
しかし、今回の全国集計で少なくとも119件の情報漏えいが確認されたことから、通知や制度の整備だけでは事故を十分に防げていないという課題が浮かび上がっています。
システムの警告表示だけでは誤交付を防げない
自治体では現在、住民基本台帳システムの標準化が進められています。
2026年10月5日の毎日新聞の報道では、標準化されたシステムでは支援措置対象者に関する手続きを行う際、警告を表示する仕組みが導入されると紹介されています。
一方、システム標準化が当初の期限までに完了していない自治体もあると報じられています。
また、過去の漏えいの原因を見ると、警告が表示されていても、職員が適切な確認を行わなければ情報が漏えいしてしまうことが分かります。
そのため、システムを新しくするだけでなく、制限を解除する際の承認や複数人による確認を徹底することが重要です。
自治体が実施した再発防止策
岡山市は2024年の誤交付を受け、マニュアルを見直すとともに、発行制限を解除する職員と書類を発行する職員の間で、確認内容を明確にする処理票を作成しました。
東京都目黒区も、システム処理を担当する職員と確認する職員との間で必要な確認事項を明確にし、管理体制を強化すると説明しています。
さらに、職員に対する事例の共有や、支援措置の重要性を改めて周知する取り組みも発表されています。
これらの対策は、単に担当者の注意に頼るのではなく、作業の途中で誤りを発見できる仕組みを整えるものです。
ただし、こうした対策によって全国の情報漏えい件数がどの程度減少したのかについては、今回の調査では検証できていません。
今後は、自治体間で再発防止策を共有するとともに、実際に事故を防ぐ効果があるかどうかも確認していく必要があります。
DVやストーカー被害の相談先|支援措置を利用したい場合
DVやストーカー行為などによって住所を知られることに不安がある場合、住民基本台帳の支援措置について自治体や相談機関に相談することができます。
支援措置の申し出には、警察や配偶者暴力相談支援センターなどへの相談を通じて、支援の必要性を確認する手続きが必要になる場合があります。
具体的な申し出の方法や必要書類は自治体によって異なるため、住民登録のある市区町村の担当窓口や、現在相談している支援機関に確認してください。
なお、支援措置は住民票などから住所が知られることを防ぐための制度であり、それだけで身体の安全が確保されるものではありません。危険がある場合は、警察や専門の相談機関による支援も重要です。
DV相談ナビ・DV相談プラス
内閣府男女共同参画局では、DVに関する相談先として「DV相談ナビ」と「DV相談プラス」を案内しています。
- DV相談ナビ:#8008
最寄りの配偶者暴力相談支援センターなどにつながります。相談受付時間は各機関によって異なり、通話料がかかります。 - DV相談プラス:0120-279-889
電話相談は24時間対応で、通話料は無料です。チャットなどの相談方法もあります。 - 緊急の危険がある場合:110番
身の危険が迫っている場合は、警察への緊急通報を優先してください。
支援措置を利用したい場合や、すでに利用している制度の更新・変更について相談したい場合は、各自治体の担当窓口へ問い合わせてください。
また、ストーカー被害や児童虐待については、それぞれ警察や児童相談所などの専門機関に相談することが重要です。
参考:内閣府男女共同参画局「DV相談について」
まとめ|DV被害者らの情報漏えい119件は自治体の確認体制が課題
2026年11月3日、DVやストーカーなどの被害者を保護するための住民基本台帳の支援措置をめぐり、全国の自治体で2016〜2025年度に少なくとも119件の情報漏えいがあったことが明らかになりました。
内訳は2016〜2020年度が51件、2021〜2025年度が68件です。後半5年間では2024年度が21件と最も多く、2025年度は7件でした。
ただし、119件は情報漏えい事案の件数であり、119人分の情報が漏れたという意味ではありません。また、DVだけでなく、ストーカー行為や児童虐待などに関係する支援措置も対象となっています。
今回の報道では、システムに警告が表示されても責任者に確認せず、発行制限を解除してしまう事例が多かったとされています。
実際に岡山市では2024年5月、支援措置対象者4人分の戸籍の附票を相手方代理人に誤交付しました。東京都目黒区でも2025年5月、管理リストの更新不足によって発行制限が解除され、住所情報が相手方に知られる事故が発生しています。
DV等支援措置は、住所を知られることで危険が生じるおそれのある人を守るための制度です。
そのため、誤交付が発生した場合には、一般的な個人情報漏えいとは異なり、対象者の安全確保が特に重要になります。
今回の119件という数字は、住民票や戸籍の附票の発行制限を設けるだけではなく、実際の窓口業務で確実に守られる仕組みが必要であることを示しています。
今後は、自治体のシステム標準化や確認体制の強化に加え、事故の緊急報告、対象者の安全確保、再発防止策の実効性が重要な課題となります。
なお、119件の自治体別の完全な内訳や、被害を受けた実人数、すべての事故後の安全確保状況については、今回の調査では確認できていません。新たな公表資料や続報があれば、確認済みの情報をもとに更新する必要があります。
主な参考資料と確認日
情報確認日:2026年11月4日。共同通信の2026年11月3日付報道、毎日新聞の2026年10月5日付調査報道、岡山市の2024年12月12日付公式資料、東京都目黒区の2025年10月8日付公表資料、内閣府男女共同参画局が掲載する総務省の関連通知、自治体の住民基本台帳支援措置に関する案内を確認しました。
2016〜2025年度の119件は、共同通信が総務省への取材で確認したと報じた数字です。2021〜2025年度の68件については、毎日新聞の先行調査でも年度別の内訳を確認しています。今回の調査では、総務省が集計した119件の全事案を掲載する原票や自治体別の完全な一覧を直接確認できていません。
119件は漏えい事案の報告件数であり、被害人数や自治体数とは異なります。また、今回の集計対象は2025年度までで、2026年度の事例は含まれていません。紹介した自治体の事例についても、今回の全国集計の個別明細との照合はできていないため、過去の公表事例として整理しています。
制度や相談窓口、自治体の再発防止策については、今後の公式発表によって変更される可能性があります。
- 共同通信・熊本日日新聞「DV被害者情報119件漏えい 16年度以降、全国の自治体で」(2026年11月3日)
- 毎日新聞「DV被害者などの情報漏えい、5年間で68件 報告怠る自治体も」(2026年10月5日)
- 内閣府男女共同参画局「関連通知一覧」(総務省の住民基本台帳支援措置に関する通知)
- 岡山市「支援措置対象者に係る戸籍附票の写しの誤交付について」(2024年12月12日・PDF)
- 東京都目黒区「DV等支援措置対象者に関する事故の発生につきまして」(2025年10月8日)
- 四国中央市「DV等被害に遭われている方の住民基本台帳事務における支援措置制度について」
- 野々市市「住民基本台帳事務における支援措置について」
- 内閣府男女共同参画局「DV相談について」
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